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雇用の悪化が停滞を解く:ジェレミー・シーゲル

ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授が、市場にのしかかる2つの重荷を解説し、その1つを解消しうるイベントを想定している。


8月はいくつかのテクノロジー銘柄でかなり荒っぽい状況だった。
ある種の噴き上がりだった。
これは健全な調整だ。

シーゲル教授がCNBCで、9月の市場の下げを「健全な調整」と話した。
8月まで特にテクノロジー・セクターの主要銘柄で上昇が急だったことを考えれば、驚くにはあたらないとした。

市場は2つの重荷を抱えている。
市場がさらなる刺激策を求めていることと・・・近づく選挙だ。
今から11月第1週までの間、刺激策なしに選挙の不確実性の中で大きな上昇をするとは考えにくい。
不確実性は市場の重荷になり続けるだろう。

シーゲル教授が挙げた重荷のうち大統領選挙の不確実性は選挙が終わらない限り晴れることはない。
今回の選挙の場合、バイデン候補が敗北しない限り、選挙当日後も長い間結果が確定しない可能性もある。
特にこれを市場は嫌気している。

もう1つの重荷は米議会がさらなる財政刺激策で合意できていない点だ。
つまり、現在の停滞は政治、株式市場で起こっており、それが密接に関係していることになる。
さらに、債券市場にも硬直状態が及んでいる。

「米国債利回りは極めて安定しており、コンマ数ベーシスについて話すほどだ。
こんな狭いレンジでの動きは見たことがない。
みんなFRBが(長期レンジも)制御していると思っているのだろうが、FRBはしていないと主張している。」

こうした足踏みを解きうるのは政治が動くこととシーゲル教授は考えている。
そして、政治を動かすきっかけとなりうるのが金曜日の雇用統計だという。

刺激策が実施される1つの可能性は、雇用統計で失望があった時だ。
失業率は8.4%から8.2%へ小幅に低下すると予想されているが、これが上昇したらどうなるか。
それが政治的圧力となりえ、刺激策が必要だとされ、何かやらねばとなる。

雇用統計はあくまで過去を映すバック・ミラーだ。
それでも、雇用が悪化すれば重荷がとれるかもしれないとは、何という歪んだ構図だろう。
思えばリーマン危機後の強気相場はこうしたロジックの刺激策が演出した面が強い。
この奇妙な構図は間違いなく成立しうる。
しかし、永遠に続くことを約束されたものでもないだろう。
最近増えた慎重論はこうした危惧を反映したものだろう。
もっとも、調整が終われば、そんな危惧をあっさり忘れ去ってしまうのが米市場なのだが。


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