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長期株式リターンの見通し:ジェレミー・シーゲル
2020年7月22日

ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授が、米国株のバリュエーションについて最新の状況をアップデートしている。


現在(のPER)は20倍だ。
インフレが起こり、お金が注ぎ込まれるだろう。
もう少しよくなるかもしれないが、長期的には5%の実質リターンを予想している。

シーゲル教授がウィズダムツリーのウェブキャストで、米国株市場の長期リターンを実質5%と予想した。
教授は、将来リターン予想をせがまれた時、最低3-5年のホライズンでの予想を返しているという。
もちろん毎年のリターンは波を打つものだし、3-5年で見ても標準誤差の影響は逃れられない。

シーゲル教授は以前から、株式の益回り(PERの逆数)を株式の実質長期リターンの予想値として用いている。
そして、その益回りが近年低下している。
裏を返せばPERが上昇している。
教授によれば、19世紀以来のPERの平均は15倍。
現状の20倍を教授は「ニュー・ノーマル」と呼び、新たな均衡水準と考えている。
そして、20倍の逆数(益回り)が5%であり、教授の実質長期リターン予想となる。

これまでPERが上がり益回りが下がった分、この予想も低減してきた。
しかし、問題は他の主要資産クラスとの比較にある。

「米国債のインフレ調整後利回りは-1%だから、こちらの方が悪い。
6%のギャップだ。」

米国債の実質利回りはマイナスに沈んでいる。
保有すれば、購買力をインフレによって奪われていくことになる。
もちろん価格に(ある程度の)フロアがあるなどの利点はあるが、長期投資で見た場合、その利点もあまり役立たないかもしれない。
長期で見れば、株式の上下変動もある程度平均化されるものだからだ。

「国際市場に目を向けると、欧州(のPER)はほぼ15倍で、これは6-6.5%(の実質リターン)を約束する。
新興国市場は場所により11-12倍で、これは先行き7、8、9%の実質リターンを約束する。」

シーゲル教授は淡々と欧州と新興国市場のリターン予想を述べた。
これが割安とも割高とも言い添えていない。

シーゲル教授は、長期投資家にとっての年率5%の意味を説明する。
30年のホライズンで尋ねられても、教授は実質5%リターンと答えるという。

インフレ調整後で14年で倍になり、30年ならば購買力が4倍になる。
かなり良い数字だ。
株式投資』で書いた過去の平均6.5-7%と同様に高い。
過去数十年見られてきたよりも、フィクスト・インカムとの差が大きい。

ちなみに、シーゲル教授は残りの夏から来年にかけてサバティカルを取り、近年の出来事まで反映させた『株式投資』の改訂を予定しているのだという。


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