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長期債務サイクルの終わりで迎える新パラダイム:レイ・ダリオ
2021年3月18日

レイ・ダリオ氏のSNS投稿 第4弾: 長期債務サイクルで起こるであろう展開と資本家を取り巻く環境、その局面で採るべき投資戦略について語られている。


歴史と論理が示すのは、中央銀行が、経済環境に照らして望ましい以上に金利が上昇することにつながる供給/需要の不均衡な状況に直面すると、お金を増発し債券を買い、『イールドカーブ・コントロール』を行って債券利回りにキャップを付し、現金の価値を低下させることだ。
これが、現金保有を悲惨なものに、借金をすばらしいものにする。

ダリオ氏が自身のSNSで、これから先進国の多くが歩むであろう道のりを予想した。
(日本はすでに到達している。)

パンデミック対応でなされた前例のない規模の金融・財政政策は、グローバル化へのブレーキと相まって、この数十年見られなかったインフレ要因を突きつけている。
また、パンデミックが去り、いつか経済が再開するなら、それは実質金利を押し上げる要因になろう。
問題は、こうした要因のままに金利が上昇してしまえば、経済・市場・財政に甚大な悪影響を及ぼすことだ。
このため、イールドカーブ・コントロール、つまり、短期側だけでなく、ある程度長期側の金利も抑え込もうという発想になる。
しかし、こうした金利の抑制を長期間にわたって継続するのは容易ではない。
単に、金利を抑制するだけでは、お金が逃げ出してしまうからだ。

1930-45年の間、FRBは利回りをそこ(長期2.5%、短期1%)に維持することができたが、そのために金や他の場所への資本移動を禁止した。・・・
こうした動きは、長期債務サイクルの最終的な、最も混乱した局面の兆候となるものだ。

自由の国 米国、資本主義の権化のような国 米国について、ダリオ氏は資本規制の可能性を指摘しているのだ。

「これがばかげた話に聞こえるのはわかってる。
私にとってもかなりばかげた話なんだから。」

もっとも、こうした話があながち「ばかげた話」でないことは、日本人の方がはるかに先に学んでいた。
異次元緩和が開始・進行する中で、金融政策に通じた人たちは、いつか資本移動規制が必要になると予想していた。
皮肉なことに、日本は低成長・低インフレだったから、こうした劇的な展開を迎えることなく今日に至っている。
パンデミックというきっかけによって、米国が日本を追い抜いた、追い抜きつつある可能性が高い。

ダリオ氏は、その時の到来の見極め方を書いている。

金利が長期金利主導で上昇し、市場と経済が強い時に、債券買入れを増やしていないか。

まさに、米国が今後迎える状況のようにも感じられる。
市場と経済が強まり、長期金利が上昇する時、「長期債務サイクルの最終的な、最も混乱した局面」が訪れるのだ。
では、長期債務サイクルの最終局面では何が起こるのか。

「もしも歴史と論理が道しるべとなるなら、お金の足りない政策決定者は増税を行うだろう。
また、債務性資産から他の富の保蔵資産や課税地への資本移動を好まないだろう。
だから、他の資産(金、ビットコインなど)や他所への資本移動を禁止する可能性が高い。
この税制改正は予想以上にショッキングなものになりうる。」

増税、資本規制、一部資産への規制が起こる。
しかも、社会では格差・対立が深まっている。
ダリオ氏は、資本家にとって居心地の悪い社会になりかねないと書いている。
そうなれば、居心地の良い土地に逃避する資本家が増えるという。

移住はともかく、その一歩前の投資戦略はどうすればよいだろう。

これら理由から、米ドルに大きな重点をおいた伝統的な株式/債券のミックスより、現金ショートとともに債務以外・ドル以外の資産によるよく分散されたポートフォリオの方が望ましいと信じる。
また、成熟した準備通貨を有する先進国の資産が、(中国を含む)アジアの新興国市場よりアンダーパフォームすると信じる。
また、税制改正や資本規制の可能性について留意すべきと信じる。


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