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ジョセフ・スティグリッツ 銀行よ、借りを返せ:ジョセフ・スティグリッツ

ジョセフ・スティグリッツ教授が、米国内の債務問題、新興国・途上国の困窮について話している。


金利を合理的な水準まで下げなさい。
私たちは2008年に数千億ドルも使って銀行を救った。
今度は銀行が、米経済を立ち行かせ普通のアメリカ人を債務の山に埋もれさせないために役立つ時だ。

スティグリッツ教授が米ラジオ番組Marketplaceのインタビューで語った。
債務問題は米社会のいたる側面で発生している。
事態はコロナ・ショックによってさらに悪化した。
経済的に弱い立場におかれた債務者が、債務負担に耐えられなくなっている。
教授は、例として学生ローン、住宅ローン、クレジット・カード債務、自動車ローン、中小企業向け不動産ローンを挙げている。
スティグリッツ教授は、こうした債務者が経済停止中返済を猶予されるべきと主張する。
あわせて、貸出金利制限の撤廃をロビーイングしてきた銀行界を批判した。

確かに歴史的に見て、米銀行界は借りを返すべき立ち位置にあるのだろう。
実際、つい最近までならその力が十分にあった。
しかし、最近ではそれも怪しくなってきた。
米国でも長短金利の低下が進み、金融機関の収益環境は格段に厳しくなっている。
スティグリッツ教授が「高利」というような商品も多くあるのだろうし、金利引き下げの余地は存在するのだろう。
もちろんある種のモラトリアムも必要だ。
しかし、あまりやりすぎると、銀行にとって貸出業務の魅力がなくなってしまいかねない。
銀行が蛇口を閉める方に動けば、債務者にも経済にもマイナスだ。
そこに、この問題が簡単に片付かない一因がある。

「世界のどこかでこの病気が続くなら、それが米国に跳ね返ってくる。・・・
米国にとって重要なのは、人道的な理由だけでなく、自国の利益のためにも、新興国市場や途上国にもっと支援をしないといけない。」

新興国・途上国には米国ほどの財政余力はない。
元世界銀行チーフエコノミストである教授は、先進国が支援を怠れば、これらの国でソブリン債のデフォルトが起こるだろうと警告した。
そして、これは先進国にも結局跳ね返ってくる。
教授は、対象国に対してIMFの特別引出権(SDR)を大きく増額するよう提案した。

ここで想定している発行金額は約5,000億ドル。
米国の2兆ドル(今では3兆ドルになった)と比べて・・・これで人口数十億の国々のためなんだ。


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