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金鉱株は今が仕込み時:ピーター・シフ

ユーロ・パシフィック・キャピタルのピーター・シフ氏が、いつものように金や金鉱株への投資を奨めている。


市場が本当に心配すべきなのは米経済、FRBの政策だ。
FRBの政策が市場を押し上げているが、このFRBの政策は米経済にとって、最終的には米ドルにとってとても破壊的なものだからだ。

シフ氏がKitco NEWSで、いつものように中央銀行批判を行った。
米経済・市場にとって最大の脅威は地政学的リスクではなく、金融政策だと主張している。

この主張はあまりにもワン・パターンだが、それなりの正当性もある。
金融緩和がバブルを生み出すとのシフ氏の主張は決して無視していいものではないだろう。
シフ氏のような意見は決して少数とはいえない。
それなのに、その意見が取り入れられることはほとんどない。
何らかの力学が背景にあるためだ。

「FRBはすでにやってきたことの結果が明らかになるのを恐れているんだ。
結果に対処するのではなく、問題を先送りしようとしている。
金利を再び引き下げ、量的緩和に戻ることで、結果をさらに悪くしているんだ。」

政策決定者にとって概して金融緩和は心地よい。
トランプ大統領にしても、まだ候補者の頃には金融緩和についてオバマ大統領とFRBを厳しく非難していた。
ところが、自身が大統領になると、あからさまに真逆のことをやりだした。
だから、金融緩和は長く続く。
力のない弱い庶民は「結果」による被害を和らげる防衛策を考えなければいけなくなる。
シフ氏がいうようにドルが安くなるなら、ドル安の影響をオフセットするようなことを考えなければいけなくなる。

そこでシフ氏の本業の1つ、金販売の話になる。
同氏によれば、大統領選でトランプ大統領が再選されず、サンダース氏が大統領になれば、金は2,000ドルを超えると話す。
しかし、シフ氏の目線はそんなに低いところにはないようだ。
その根拠として、同氏はFRBの金融緩和が常態化するとの見通しを挙げた。
金が2011年に1,900ドルまで上がった理由をシフ氏はこう語る。

金がそこまで上がった理由は、人々が当初QEとゼロ金利に正しく反応したからだ。
それが惨事であり、FRBがそこから抜け出せなくなると正しく反応したんだ。

つまり、インフレの恐怖が投資家を金投資に向かわせたのだ。
蓋を開けてみると、インフレの脅威は思ったほど差し迫ったものではなかったし、FRBも利上げを進め、バランスシートを縮小させた。
恐怖心は沈静化し、金価格も振るわない時期が続いた。
ところが、FRBの方向転換が再び人々の恐怖を煽ったのだ。

今人々は、QEが永遠に続き金利は二度と正常化しないと結論を出しつつある。
ドル(高)による底を抜けつつあり、これらは、金が天井破りの上げになることを意味している。
・・・
レイ・ダリオジェフリー・ガンドラックの話が出るが、彼らは賢い人たちだが(金について)主流の考えになっていない。

金価格
金価格

あたるかどうかは別として、壮大で良くできたセールス・トークだ。
まだ間に合うといいたいのだろう。
もっとも、シフ氏はどんな環境でもこうした素晴らしいトークを聞かせてくれる人物である。

シフ氏はこの日、金鉱株にも言及している。

「実際、昨年S&P 500は30%上昇したが、企業収益は1%低下した。
金鉱株は約40%上昇したが、その企業収益は約80%上昇した。
金は年初来1月これまでさらに2.5%上がっているが、金鉱株は下げている。
・・・前回1月に金が上がり金鉱株が下げたのは2000年、20年前なんだ。」

こちらもなかなか良くできたトークになっている。
1月だけ見るのもどうかとは思うが、一応、事実は事実だからだ。
(金鉱株についてもシフ氏の営業の一部である。
傘下のミューチュアル・ファンドでは貴金属や関連株式に投資している。)
もっとも、こうした小さな共通点を挙げなくとも、現在の環境が2000年のバブル前と似ているとの見方は少なくない。
だから、それなりに可能性のある話なのかもしれない。

「これが2000年の再来なら、2000年1月はNASDAQバブルのピーク(近く)だ。
当時は20年続いた金の弱気相場の底だった。
金が2000年に上昇を始めたのに、投資家は金鉱株にはまだネガティブだった。」

シフ氏は、投資家の株式市場への殺到を「良いことの前触れ」、「逆張り指標」と見ている。
金鉱株は仕込み時とし、自身はすでに「オール・イン」だと語った。

また、シフ氏はこの日、現物の金の保有についても尋ねられている。
現物の金は、金の保護預かり、金ファンド、金鉱株の持つ一部のリスクから逃れる手段だという。

現物の金は、とても安全な価値の保管手段だ。
現金の保管に代わるものだ。
ドルやユーロを持つより金を持てばいい。


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