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金融緩和継続が供給制約の一因に:モハメド・エラリアン
2021年11月6日

アリアンツ経済顧問のモハメド・エラリアン氏が、10月の米雇用統計についてコメントし、FRB金融政策について批判を繰り返した。


1つ重要なのは、労働参加率で、これが上昇していない。
これが上昇しないといけない。

エラリアン氏がBloombergで5日発表の米雇用統計についてコメントした。
結果は概して強く、他の統計との整合性もあるとしつつ、人々が労働市場に戻ってこない現状を心配した。
足下の大問題である供給制約の1つの要因となっているためだ。

5日発表の米雇用統計は

  • 非農業部門雇用者数の前月比: 531千人(市場予想450千人)
  • 失業率: 4.6%(前月比0.2%ポイント改善)
  • 平均時給の伸び: 前月比0.4%、前年同月比4.9%
  • 労働参加率: 61.6%(前月から変わらず)

他の指標に比べ、労働参加率の出遅れが目立つ。

同番組にはブラックロックのリック・リーダー氏も出演していた。
雇用統計についてはほぼ同様の見方だったが、1つ重要な指摘をしていた。

「十分に人を雇うのが難しく、1つ見えにくいのが、どうすればみんなを戻せるか、どれだけコストがかかるかだ。
賃金上昇の加速だけでなく、福利厚生、ワークライフ・バランスなどなど。・・・
第1次大戦後最も困難な労働市場だ。」

FRBはどう行動すべきか尋ねられると、エラリアン氏は《すべき》の前に予想を述べている。
FRBが様子見を続けるという予想だ。
そして、従前からの批判を繰り返している。

「私にはどうして金融政策をこんなにふかし続けないといけないのかわからない。
金融政策は経済には大きなインパクトを与えておらず、経済は良好だ。
一方、コラテラル・ダメージが意図せざる結果を生み出し、広がっている。」

エラリアン氏は、FRBが出遅れることを心配し、利上げについてのフォワードガイダンスを強めるよう促している。
具体的には(市場の織り込みと同じように)来年半ばの利上げ開始をガイダンスすべきという。

エラリアン氏は、FRBが出遅れた場合に踏み上がる「意図せざる結果」についていくつか触れている。

米国はまだ緊急時のための金融政策を実施しており、それが資産価格を押し上げ、人々を労働市場から遠ざけ、富の格差を悪化させ続けており、経済には何もしない。
どうして続けるのか、それが議論されるべきだ。

金融緩和が(インフレ収束のカギの1つである)労働参加率改善の足かせになっている。
目の前の株式市場が打出の小槌のようにお金を生み出しているように見える時、人々は無理に職場に戻ろうとは思わなくなるのだろう。
皮肉なことだが、この解決はデフレ的な現象になるのかもしれない。
資産デフレが起これば、人々は投資で痛手を受け、労働意欲を取り戻すのかもしれない。
しかし、近年の展開を振り返れば、その時FRBは再び金融緩和に舵を切るのだろう。
エラリアン氏の言うように、中央銀行は強い緩和バイアスを持ち続けているようだ。


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