海外経済 投資

金融緩和はいつまで続く?:モハメド・エラリアン

アリアンツ首席経済アドバイザー モハメド・エラリアン氏が、市場が強気な理由を解説し、FRBの金融政策の見通しを語った。


市場は伸び切っているか?
バリュエーションで見ればYesだが、ちゃんと理由がある。

エラリアン氏がCNBCで、史上最高値を試し続ける米国株についてコメントした。
同氏が挙げた理由とは:

  • 良好なファンダメンタルズに関するニュース。
  • 株式市場への資金流入の継続。
  • 市場がインフレ上昇を過渡的とみなしている。

良好なファンダメンタルズ、とても緩和的な金融環境、インフレを看過しようとする市場によって史上最高値圏が実現している。
大きな疑問は最初の2つでなく3番目だ。
インフレは本当に過渡的で、金利は落ち着いたままか。
それこそ現在の市場が直面する課題だ。

足元の米インフレ上昇がベース効果の影響を強く受けているのは間違いない。
前年がデフレの谷だったのだから当然だ。
しかし、足元のインフレが一息ついた後、本当にインフレは収まるのか。
異例の財政出動が行われ、FRBが長く金融緩和を続けても、インフレの基調には変化が起こらないのか。

エラリアン氏は、FRBの金融緩和が長く続くと予想する。
FRBが見ているのがもっぱら労働市場だからだ。

「雇用はすぐには(FRBが望む)水準に到達しないだろう。・・・
企業は記録的な再開を進めており、十分に人が見つからないと文句を言っている。
それでも8-9百万人の人がまだ失業している。
基本的な疑問は、どれだけ速くパウエル議長の雇用目標に達することができるか、そこに至るまでにインフレが議長にとって昂進しすぎないかだ。」

実際、FRBはインフレについて、見通しに応じて行動するアプローチから実績に応じて行動するアプローチに方針変更している。
つまり、インフレの見通しでは動かず、インフレが実現してから動くという意思表明だ。
この変更は、目下の金融緩和をより長く継続する可能性を広げたはずだ。

「現在のFRBは経済を過熱させるリスクを取ろうとしている。
過去を見て、これまでインフレがなかったからこれからもないと考えている。
これは大きな賭けだ。
過渡的であることに賭けている。」

エラリアン氏は、自身が意思決定者だったなら2つの政策変更を行うと述べる。

  • 銀行・ノンバンクに対するマクロプルーデンスにおいて予防策を強化する。
  • とてもゆっくりと金融政策正常化を開始し、市場にそのシグナルを出す。

エラリアン氏は冷静に、自身が考えるあるべき論と予想とを分けている。

でも、FRBはやらないだろう。
FRBは可能な限り緩和的な政策を継続しようとするはずだ。

こう予想せざるをえない以上、市場はダンスを続けざるをえないのだろう。


-海外経済, 投資
-

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 その他利用規約をご覧ください。