金融緩和が資本市場を狂わせる:ゴールドマンCEO

ゴールドマン・サックスのデービッド・ソロモンCEOが、マイナス金利政策・景気見通し・ユニコーン企業について語っている。


マイナス金利を振り返ると、本が書かれる頃にはすばらしい実験とはされないだろう。
マイナス金利が期待したような恩恵をもたらしたようには見えない。
世界のその地域の成長が振るわないのは事実であり、マイナス金利は成長を加速させなかったと考えている。

ソロモン氏がBloombergで、マイナス金利政策に対してほぼ全面的なダメ出しをした。
米国のマイナス金利嫌いは徹底している。
ソロモン氏は、ある程度の期間結果を見る必要があると最終的結論を留保したものの、結果は期待できないと予想した。
マイナス金利が「建設的なものとは思わない」と述べており、イデオロギーの段階から米経済と相いれないような印象を振りまいている。

こうも早い段階から選択肢を放棄してしまう背景には、足元の景況感に対する余裕もあるのかもしれない。

最近聞かれた時、今から大統領選までの間に米景気後退が始まる確率はまだ小さいと答えた。・・・約25%と答えた。
9か月前ならとても小さい15%ぐらいと答えただろう。

ソロモン氏は、米経済が短期的に景気後退入りする確率は大きくないと太鼓判を押した。
9か月前と比べ不確実性が少し増し、製造業の下振れもあったとはいえ、企業収益・消費なども含め全体を見ればまだ堅調だという。


ユニコーン企業等で収益性やバリュエーションについて市場関係者から疑問の声が上がっている点を尋ねられると、ソロモン氏はまず大きな前置きをしている。
同氏は、そうした企業が「リアルな企業」であって、2000年のドットコム・バブルで見られたバーチャルな企業とは異なると主張した。
その上で、規模拡大を優先するユニコーンの行動を解説する。

「今起こっているのは、世界中で流行する金融政策が、人々をリスク・カーブから追いやり、リターンを向上させる他の方法に向かわせていることだ。
その1つの追求が成長だ。
ある程度、成長至上主義になっている。
高成長かつ成長志向の企業に乗っかれば、何かいいことがあるという心理が存在する。
それが多くの企業に投資家から資本を調達し、収益性がどうなるか理解しないまま売上を成長させるために極めて積極的に支出する動機を与えてきた。」

ソロモン氏は、問題の遠因に各国中央銀行の金融緩和があると考えている。
強力な金融緩和が投資家をリスク/リターンのトレードオフ線から逸脱させている。

そして投資のロジックが変化してしまう。
リスクにあったリターンをとろうとするのでもなく、収益性に見合った株価にこだわるのでもない。
どこか理屈のないところからリターンがやってくると思い込むようになる。
(現在・将来の)収益性に見合った価格より高く買っても、他の投資家に売りつければ自分は儲かるとでも考えているのだろう。

ソロモン氏は、企業の価値が将来利益を割り引いたものであると深く信じているという。
現状はそこから逸脱してしまった。

市場は今
『ちょっと抑えよう。
成長するのは大切だが、何らかの形で利益計上に至る明白・明確な黒字化の道が必要だ。』
と言っているんだ。・・・
もう少し市場の規律を働かせるべきで、私はそれが市場の健全性だと思っている。


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