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金融政策はルーズ・ルーズ・ルーズ:モハメド・エラリアン
2019年11月28日

アリアンツ首席経済アドバイザー モハメド・エラリアン氏が、中央銀行の置かれた厳しい状況を代弁した。


中央銀行はどうやって経済目標を実現しようとしたか。
資産価格を押し上げることでだ。
資産価格が上昇すればみんな豊かになったと思い支出を増やす。
支出が増えれば、企業が投資を増やす。
でも、それが機能しない。

エラリアン氏がYahoo FinanceでFRBの金融政策を振り返った。

消費が経済を主導する国、米国における金融政策の効果の伝達経路は少々特徴的だ。
この国は資産効果に多く頼っている。
重商主義的な国々が通貨安を求めて金融緩和を行うのとは少し重点が異なっている。

エラリアン氏は、この伝達経路が効果を失いつつあると指摘し、さらに弊害さえ生んでいると指摘する。

「コラテラル・ダメージを増やし、意図せざる結果を生んでいる。
今起こっているのは、基本的にFRBが《暖簾に腕押し》になってしまったということ。」

短期の政策金利が1.50-1.75%、長期金利が1.7-1.9%レンジにある国で、金融緩和の弊害が心配されている。
さらに、問題は深刻だ。

FRBは巻き戻しもできない。
もしもそうすれば市場が混乱する恐れがあり、市場が混乱すれば経済に波及しうるからだ。
つまり、FRBはルーズ・ルーズ・ルーズの状態なのだ。
現状維持も、追加緩和も、緩和縮小もできない。

FRBがこの袋小路に陥った原因について、エラリアン氏は、あまりにも長くFRBに依存したためと分析している。
何をやっても悪いことが起こるという悲観的な見方を示した後、エラリアン氏は投資家にとってのインプリケーションを説明する。

短期的には、これは投資家にとってすばらしいことだ。

エラリアン氏は、投資家が受けてきた恩恵を3つ挙げた。

  • 資産価格上昇。
  • ボラティリティの低さ。
  • リスク低減に用いられる債券などでも儲かった。

確かに投資家にとってはいいことづくめの投資環境だったことがわかる。
この10年は、言葉は悪いが、何も考えなくても儲かる相場が続いてきたのだ。

エラリアン氏は、いつかはこの状況にも変化がやってくると警告する。

純粋な成長ドライバーにバトンを渡さなければいけなくなる。
そうでないと、高い資産価格と低いファンダメンタルズのギャップが大きくなりすぎてしまう。

これこそがエラリアン氏が従前から主張してきた、分岐点が近いという主張なのだ。
包括的な政策により経済の足腰を強める努力をしないと、資産価格とファンダメンタルズの溝が埋まらない。
エラリアン氏は今月、50%超の確率で世界の株価が大きな調整を迎えると警告している。


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