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金融政策の能力と意思:モハメド・エラリアン
2020年2月20日

アリアンツ首席経済アドバイザー モハメド・エラリアン氏が、金融緩和政策の終わり方を暗示するような事象を紹介し、市場への影響を説明している。


「昨年まるまる市場は夢の中で生きていた。
リスク資産のリターンは素晴らしく、リスクのある資産のリターンは良く、ボラティリティはなかった。・・・
これを説明するには・・・これを支持し続ける中央銀行の能力と意思への信仰ということになる。」

エラリアン氏がBloombergで、強気相場継続の背景、中央銀行や金融政策の2つの課題を解説した。
強気相場が続くのは、金融政策によるご加護への信仰。
この信仰は2つの課題にさらされている。
1つは能力と効果: 金融緩和を行う余地があるか、それが有効かという点。
もう1つは意思: 金融緩和をこれ以上継続・強化したいかという点。

エラリアン氏は、現在の市場がデータ(経済指標等)のサプライズを吸収していくだけの楽観に包まれているという。
しかし、楽観を支える金融政策について、意思の課題が表面化しつつあるという。
エラリアン氏は、最近のオーストラリア準備銀行(RBA)の議事録が「意思」の問題に触れていたと指摘する。

オーストラリアは中国の問題で酷く打撃を受けた。
RBAが利下げしなかった理由は、過剰な借り入れを助長するのを恐れたためだ。
考えてみれば、それが低金利の効果であったはずが、今では中央銀行がそれを恐れている。

エラリアン氏が指摘したRBA議事録の部分とは:

「国際的に、超低金利の、経済における資源配分への影響、共同体の一部の人々、特に消費を貯蓄に依存している人々への影響について懸念が示されてきた。
さらなる利下げはまた、すでに住宅市場に強い上げの勢いがついている時に、追加の借入を助長しかねない。」

エラリアン氏が言いたいのは、こうした金融緩和の副作用を重く見て、RBAが利下げを敬遠しているということだろう。
RBAには利下げ余地、つまり能力はあるが、現状その意思がないというわけだ。
これが1つの金融緩和の打ち止めパターンとなりうるのだ。
能力と意思、いずれが欠けても「信仰」は終わりを迎える。

一方でECBが(金融緩和の)効果の問題、他方でRBAが意思の問題、これらが広く課題になるだろう。
時間がかかるだろうが、もしもそうなれば、市場はテクニカル面での支持を失うことになる。


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