金融・財政政策の余地は小さい:アクセル・ウェーバー

元ドイツの中央銀行総裁・ECB理事で現UBS会長アクセル・ウェーバー氏が、中国・欧州の経済について楽観的見通しを述べた。
ただし、欧州については逆風も多く存在することを認めている。


経済が低迷する時には分散は機能しない。・・・
事業や地域について分散することは、ダウンサイドからの守りには役に立たなかった。
私たちは異なるスピードの回復から利益を得てきた。

ウェーバー氏がCNBCで、厳しかった昨年の経済環境を語った。
同氏によれば、世界経済は総じて底打ちが見受けられるという。
その上で、世界中から心配される中国と欧州の経済についてコメントした。

「中国の財政・金融政策は機能するだろう。
中国は回復しつつある。
中国の貿易摩擦は、少なくとも貿易サイドについては解決に向かいつつある。」

ウェーバー氏は、中国経済を覆う「黒い雲の一部」が消えつつあると楽観した。
また範囲を広げ、アジア太平洋、さらに新興国市場について経済が回復しており、心配していないと強気の見方を示した。


そうなると心配なのは欧州だ。
しかし、欧州についてもウェーバー氏は悲観を述べない。
欧州経済も底を打ったとし、今後はとても緩やかに回復に向かうと予想している。

「私のメインの見通しはある種のL字回復だ。
低めの水準で安定し、成長率も潜在成長率を下回る。
景気後退はメイン・シナリオではない。」

しかし、こうしたささやかな楽観論であっても現在はやはり少数派だ。
ウェーバー氏もまた、欧州経済にダウンサイド・リスクが存在することを認めている。
欧州に固有のリスクとして、伊・仏など多くの国での財政政策の困難を挙げている。
マーストリヒト条約にしたがい、財政赤字に厳しいタガがかかっているためだ。
財政政策が無理なら金融政策はどうか。

自問すべきだ:
長年の量的緩和の後、同じことをさらに強化したからと言って、始めた時と同じような経済への効果が本当に得られるのか?
私の答は『おそらくNo』だ。

ウェーバー氏は欧州についてさらに3つのリスクを挙げる:
・インフラ・技術開発の後れ
・米欧貿易摩擦
・Brexit

この不確実性が欧州の経済成長の重しになっている。
これは金融・財政政策では解決できない。


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