海外経済 国内経済 投資

金相場が2012-13年と違うワケ:ジョン・ポールソン
2021年8月31日

サブプライム/リーマン危機を逆手に巨万の富を築いたジョン・ポールソン氏が、金や暗号資産について語っている。


インフレの時期、金はとても良いパフォーマンスを上げると私たちは信じている。
前回そうした放物線のような上昇がみられたのは、2年の2桁インフレがあった1970年代だ。

ポールソン氏がBloombergで、インフレ期には金が良い投資になりうると話した。
主たる根拠は希少性だ。
現金・フィクストインカムをはじめとする金融資産は膨張を続けているが、投資可能な金の量にはある程度の限界があり、インフレの悪影響を受けにくいというものだ。
現在のような高インフレでは、現金・フィクストインカムはインフレに勝てなくなり、実質ベースの価値を失うのを嫌がるマネーが金に向かうのだという。

金はサブプライム/リーマン危機の前後にも上昇している。

金価格
金価格(2007年以降)

この時は2012-13年頃ピークアウトした。
結果論でいえば、インフレが起こらなかったという説明になろう。
投資家はインフレを予感し金を買ったが、インフレはそれほど高まらなかったのだ。
金融緩和の巻き戻しが意識され始めた頃にピークアウトしたのも偶然ではあるまい。

「2009年、私たちは、FRBが基本的に貨幣増発である量的緩和を行っていた時、それがインフレにつながると考えた。
しかし、現実に起こったのは、FRBが貨幣を増発する一方で、資本や準備預金の要求額が引き上げられ、マネーはある意味で還流した。
FRBが米国債を買入れ、マネーを生み出し、銀行に積み上げると、それが再びFRBに(準備預金として)預けられた。・・・
マネーがマネーサプライを押し上げることがなかったため、インフレにならなかった。」

量的緩和だけでは経済にお金が流れない。
銀行が貸出を積極化したり、政府が財政支出を増やしたりして初めてマネーサプライは増えていく。
今回のパンデミックでは異例の規模の財政支出が行われ、マネサプライは急増し、まだしばらく続きそうだ。

米マネーサプライ(M2)
米マネーサプライ(M2)

ポールソン氏は、そうしたファクトから予想を超えるインフレが続くと考えている。

今回は、マネーがマネーサプライになり、昨年25%ほど増加した。
私は、最良のインフレの指標はマネーサプライだと思う。
だから、私は現在予想されているより大きなインフレが来ると考えている。

ちなみに、金に強気な著名投資家の話が伝えられると、必ず暗号資産に興味のある人たちの注目を浴びる。
ポールソン氏は今回、暗号資産について、興奮が冷めるか流動性が干上がれば「ゼロになる」と話している(Yahoo Finance)。
同氏は、暗号資産を本質的価値のないものと考えているようだ。

「暗号資産はバブルだと言っている。
言うならば『供給量が限られた無』だろう。」


-海外経済, 国内経済, 投資
-, , ,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 その他利用規約をご覧ください。