ブラックロック

 

金投資の真価が問われる時とは:ブラックロック

資産運用の世界最大手ブラックロックのラス・ケストリッチ氏が、近時の金価格上昇の理由について解説した。
金相場が順調であるがゆえに、本来の役割を忘れるべきでないと書いている。


順調な時には保険とは負債である。
何か悪いことが起こらないかぎり、保険でお金がもらえるわけではない。
ポートフォリオにおける保険の一類型である金について興味深いのは、輝かしい株の年においても金が良好なパフォーマンスを上げていることだ。

ケストリッチ氏が自社ブログで書いている。
何ごともなく平穏な時期(貯蓄性商品を除き)保険とは保険料負担を発生させるものにすぎない。
つまり、会計上の概念を援用し喩えるなら「負債」なのだ。
何か悪いことがあると、それは収益をもたらし「資産」に性質を転換する。
ケストリッチ氏は昨年11月、金が強い理由を4点挙げていた。

  • 歴史的にみて安値
  • ドル相場が頭打ち
  • 実質金利が頭打ち
  • 株式ボラティリティ上昇

米国株市場は10月から大きく調整したから、金が上昇したことに違和感はなかった。
つまり、この頃、金は資産だったのだ。
しかし、米国株はクリスマス頃を底に上昇に転じた。
ボラティリティも低下し、平穏な時期が戻りつつある。
では、金価格はどうなったのか。

金価格(青、左)とS&P 500指数(赤、右)
金価格(青、左)とS&P 500指数(赤、右)

昨年第4四半期S&P 500指数が下落する間、金は上昇した。
ところが、S&P 500がリバウンドした後も同指数と金は同じ方向に動いている。
これは直観とは異なる現象だ。

11月には金が強い要因が4つ挙がり、今はその2つが解消した。
残るは実質金利とドル相場だ。
ケストリッチ氏は特に実質金利低下が効いているという。

「歴史的に実質利回りの変化は金のリターンの変化の約20%を説明する。
実質利回りの1 bp(0.01%)の低下は通常、金を0.10%上昇させる。」

米10年TIPS利回り(青、左)とドルの実効為替レート(赤、右)
米10年TIPS利回り(青、左)とドルの実効為替レート(赤、右)

金投資家は喜んでいるだろう。
しかし、前提に戻るなら、金とは多くの投資家にとって保険であったはずだ。
ケストリッチ氏も

金の真価は、状況が悪化した時にパフォーマンスがどうなるかで決まる

と釘を刺す。

「ボラティリティが低位にとどまるには、控えめで堅調な経済成長とFRBが金利を現状に据え置くことで満足するという、ゴルディロックスのような組み合わせが必要だ。
それ以外のシナリオになればボラティリティは上昇し、伝統的に金が真価を発揮する状況になる。」


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