コモディティ王デニス・ガートマン氏が、金市場の調整を予想し、いくつかリスク要因を例示している。
私はソーシャル・ディスタンスを金市場で実践しているんだ。・・・
ボートは人でいっぱいだ。・・・
あまりにも混雑している。
それだけのことだ。
ガートマン氏がBloombergで、金投資から撤退した理由を語った。
数年前まで、同氏が金を推奨しても大きな反応がなかったのに、最近では毎日のように金の話題がメディアで取り上げられることにややあきれた様子だ。
ガートマン氏は、金市場からいったん撤退した。
しかし、金市場自体はまだ強気相場を続けている。
同氏は強気相場でとりうるポジションが3つあると言い続けている。
・本当にロング
・ほどほどにロング
・中立
ガートマン氏は現在中立だというが、中立でも強気相場の中では最も後ろ向きなのだ。
今後の見通しについては、調整が入ると考えている。
「1,775-1,825ドルまで下がれば、買うだろう。・・・
そこまでの調整がありうるかといえば、私はそうなると予想している。」
ガートマン氏は、いくつか調整の引き金となりうることを例示している。
- 市場が込み合っていることだけで下げの要因となる。
- FRBの緩和姿勢が後退するように見えた時(バランスシート拡大、高官発言)
- ドル高を求める姿勢への転換: 「ないと予想している。」
ガートマン氏は、あまりにも多くの投資家が突然に金に殺到した点を心配する。
ロング・ポジションが積み上がり、ほどなくしてポジションを閉じなければならなくなると予想している。
メディアでは株式ロングはリスク・オン、金ロングはリスク・オフのイメージで語られることが多い。
株式と金が同時に上げていることについて尋ねられると、ガートマン氏は事もなげに解説した。
金と株式はある時は一緒に上がり、ある時は相反する方向に動くものだという。
過去数か月は、金と株式が連れ添うように上昇を続けたが、これが金市場のリスクの1つだと指摘した。
私は、この2つの間の連動した動き、一致はまだしばらく続くと考えている。
株式は極めて割高だ。
もしも株式が躓きはじめれば、道ずれになって金市場も売られるだろう。