海外経済 投資 政治

金利低下でも株価が上がらない:モハメド・エラリアン

アリアンツ経済顧問のモハメド・エラリアン氏が、金利と株価にかかわる市場のナラティブの変化を指摘し、スタグフレーションの到来を心配している。


かつてのナラティブはこうだった:
『FRBは利回りを押し下げることに成功しており、今後も利回りを押し下げ続け、それは企業にとってすばらしいことだ。』

エラリアン氏がCNBCで、米市場のナラティブの変化を解説している。

エラリアン氏は、利回り低下が企業のコストダウンにいくつもの面で役立つという:
リファイナンス、フィナンシャルエンジニアリング(債券発行+自社株買いなど)、M&A、SPAC・・・
しかし、同氏によれば、こうしたメリットは「安定した環境」のみで発揮されるといい、今それが変わりつつあるのだという。

『スタグ』つまり低成長とインフレの両方について懸念が生じると、突如として債券市場はもはや最良の友ではなくなってしまう。
それが、過去数週間で進んでいる。
しばらくは、それが続くだろう。

かつて世界最大の債券ファンドPIMCOを率いた投資家は、市場の懸念がスタグフレーションに向かっていると指摘しているのだ。
同氏の12日付のFTコラムのタイトルは「債券利回りの低下はもはや株式にとって良いニュースではない」というものだった。
確かに最近、株式と債券の相関に変化が生じたのではないかとの見方が市場で広がっている。
少し前まで、金利低下は株式、とりわけグロース株に有利、逆に上昇は不利との連想がよく当てはまる市場だった。
その関係が崩れ始めているように見える。

経済が強い中で金利が低下するなら、将来のキャッシュフローに期待ができ、割引率が下がるのだから、株価にプラスだろう。
しかし、金利が低下しても、経済の悪化が心配されるなら、将来のキャッシュフローに疑問符がついてしまう。
1970年代の米市場(ニフティフィフティの凋落)を振り返っても、スタグフレーションは株式の敵だ。

エラリアン氏は、そのスタグフレーションについて、別のCNBC番組で語っている。

私の最大の心配、それはまだ実現しておらず、私は実現を望まず、この市場に投資している誰もが実現を望まないが、スタグフレーションだ。・・・
実現はもちろん、その心配が大きな懸念になり始めるのさえ望まない。
そうなれば、逃げられない。

あわせてエラリアン氏は、スタグフレーションを回避するための経済刺激策のあり方を提案している。

もしも現在の金融政策を継続すれば、高インフレが居座ることになるだろう。・・・
財政の方で、物理的だけでなく人的なインフラにおいて、もしも本当に良いインフラ(整備)の機会となるなら、それは成長を促進する。・・・
さらに(良い)インフラ(支出)を行い、金融政策は縮小することだ。


-海外経済, 投資, 政治
-, ,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 その他利用規約をご覧ください。