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グッゲンハイム スコット・マイナード 金利の底と強気相場の終わりはまだ:スコット・マイナード
2021年3月4日

グッゲンハイム・パートナーズのスコット・マイナード氏が、金利低下局面はまだ終わっていないとし、政府・中央銀行から大量の資金供給が続く環境の特異性に言及している。


私は1980年代以降、強気相場が終わる度に毎回、金利は底を打ったという話を聞かされてきたが、私たちの研究によれば・・・1980年代初め以降に始まったトレンドはまだ反転していない。
だから、これまで、金利が最低を更新する度に強気相場の終わりを予想するのは愚か者のゲームだった。
何か市場が違ったことを教えてくれるまでは、急いでみんなの側に参加しようとは思わない。

マイナード氏がCNBCで、超長期の金利低下サイクルが継続している可能性を述べた。
同氏は以前から、米10年債利回りがマイナスまで低下する可能性を語ってきた。
並みのコメンテーターなら流して聞くところだが、そこはマイナード氏だ。
原油先物価格がマイナスになると予想し的中させたことは記憶に新しい。

思えば、日本の金利低下も意外性の連続だった。
驚くほど下げて、落ち着くたびに、もう下げないだろうと高をくくったところで、再び予想外の低下に見舞われてきた。
同じことが米国に起こっているのだとすれば、少なくともまだもう1段の下げがあってもおかしくない。
少し前までの日欧の超低金利と比べれば、これまでの米金利の底は浅かった。

マイナード氏は、金利低下が終わっていないと考える理由を2つ挙げている。

  • 財政支出が金利を押し下げ:
    米財務省が支出したお金が人々を介して債券・株式に流れる。
    債券買いによる金利低下が、景気刺激による金利上昇を上回る。
  • オペレーション・ツイスト:
    短期金利が十分に低いため、FRBが短期債を売り長期債を買うオペを行う可能性がある。

後者については、FRBが事実上長期金利に介入するという趣旨で単純だ。
前者については少し注意が要る。
債券買いと景気刺激のどちらが効いてくるのか。
これについて、多くの人がお金の流れる範囲、換言すればフィッシャーの交換方程式を2つ思い浮かべる必要性を示唆しつつある。
お金が経済に供給されても、実体経済でなく投機に回る可能性だ。
結果、投機(金融市場)の方程式では物価(資産価格)は上昇するが、実体経済の方程式では物価(CPIなど)は上昇しない。

マイナード氏は、パンデミック下でのお金の流れを解説する。

「米財務省はFRBに当座預金口座を持つ。
その口座から支出すると、経済に資金が流れる。・・・
これまで経験したのは、多くの小切手がそれを必要としない人にまで送られ、彼らはそれを貯蓄した。
そのお金は銀行に預金され、銀行がTビル・Tノート・MBS・CLOなど、短期または低リスクの証券を買うか、あるいは、預金者が直接市場に投資するかだった。」

銀行が債券を買うだけなら、景気刺激の効果は薄く、金利低下要因が強く効くかもしれない。
預金者が口座のお金を投資に回すなら、資産価格に上昇圧力が加わる。
パンデミックの間の資産価格の上昇はまさにこれだろう。
では、近づきつつあるパンデミック後はどうだろう。

政府がお金を経済に供給し続けている時の資産バリュエーションは、過去のQEでの経験とは異なる。
みんなの銀行口座の残高が実際に増えている。
これが2009-10年とは異なるんだ。

リーマン危機後の量的緩和政策は、日米欧のいずれをとっても、間接的に政府と中央銀行が国債と政府預金を交換する営みだった。
つまり、政府と中央銀行の間のポーズにすぎず、民間が関与するところは少なかった。
だから、マネタリーベースの拡大が単純な貨幣数量説のとおりにインフレを引き起こすこともなかった。
今回は少し状況が異なる。
お金は民間に配られ、増大したのはM1、M2等々だ。

マイナード氏の今回の話では、今後起こりうる金利低下の原因が単に景気後退とはいいがたいように聞こえる。
むしろ、景気回復が不十分な中で、債券への需要が高まるといった、ゴルディロックスをイメージすべきなのかもしれない。
もしもそうならば、ここから導き出される予想は、リスク資産について強気、ということになる。
何も資産価格が下がってほしいと願うわけではないが、あまりベアが少なくなるのも居心地の悪いものだ。


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