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金利が底を打ったと考えるのはまだ早い:PIMCO
2019年11月25日

債券ファンドPIMCOのJoachim Fels氏が、今後の債券利回りの動向についてコメントしている。


私はそれほど確信していない。
金利はこんなに低いのだから、ここからは上昇する、と論じるのは簡単だ。
しかし・・・

超長期の債券の強気相場(金利の低下)は終わったのかとBloombergから尋ねられ、フェルス氏が慎重な答え方をした。
ある意味で債券投資家らしい語り口だが、それほど超長期トレンドの転換を見極めるのは難しいということだろう。

米10年債利回り
米10年債利回り

ボルカー・ショック後から始まった債券の強気相場は実に35年あまりに及んだ。
超長期の金利低下局面は債券から株式まで資産価格の追い風となってきた。
過去数年それが切り返すかもしれないとの不安を市場参加者は抱いている。
金利上昇局面に切り返すなら、資産価格も切り返すと見るのが自然な見方だから、みんな恐れている。

このトレンド転換をめぐっては、かつて忘れられないエピソードがあった。
2011年PIMCOを率いていたのはモハメド・エラリアンCEO(当時)だ。
そして、その隣には創業者で共同CIOだったスーパー・スター、ビル・グロス氏がいた。
グロス氏は2011年2月、米国債をすべて売却しさらにショートする戦略に出た。
米国債の強気相場が終わった、つまり金利低下が終わったと見て、弱気相場(=金利上昇)に張ったのだ。
ところが半年後、グロス氏はこのポジションについて敗北宣言を余儀なくされる。
トレンド転換の予想が早すぎたのだ。
長年債券市場に君臨した債券王が退位を迫られた瞬間だった。
(その後、多くの人がジェフリー・ガンドラック氏を債券王と呼ぶことになるのはご存じのとおりである。)

フェルス氏がこうした経緯を忘れるはずもない。

しかし、過去数年、私たちは重要なことを学んだ。
まず、債券利回りがマイナスになりうることだ。
債券利回りは欧州でマイナスになり、日本でもマイナスになった。
次の景気後退でFRBがゼロ金利まで利下げした場合、景気後退の中、米国債利回りはゼロあるいはマイナス水準まで近づくかもしれないと私は論じる。
だから、世界的な債券の強気相場の終わりを予想するのはまだ早い。

少々ずるい言い方のようにも聞こえるが、要はまだわからないといいたいのだろう。
誰しも、メディアへの答が外れることで評判を落としたくはないだろうから、気持ちはよくわかる。

フェルス氏は、現水準から債券価格がさらに上昇する(=金利がさらに低下する)のが難しいことは認める。
しかし、その一方で、世界中に過剰な貯蓄が溢れかえっていると指摘する。
これがさらなる金利低下の可能性を大きくしているという。

世界的に安全資産に対する大きな需要があり、リスク資産はかなり伸び切っている。
次の市場の停滞期になれば、それが景気後退をともなうものであろうとなかろうと、昨年第4四半期に見たような株式等の下降期となれば、特にここ米国において債券が上昇する余地はまだ大きいだろう。


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