投資

金価格下落のシナリオ:マーク・ファーバー
2020年10月9日

スイス人著名投資家マーク・ファーバー氏が、各国中央銀行を厳しく批判しつつ、金、銀、プラチナを推奨している。


中央銀行が貨幣を増発すると、現金の購買力が低下する。
特に、多くの欧州諸国のようにマイナス金利の場合そうなる。
急激に増やせない、あるいははるかにゆっくりしか増やせない資産が金、銀、プラチナで、これらは上昇する傾向がある。
だから、みんな資産の約25%を金等で保有することを奨めたい。

ファーバー氏がTCNTVで、ポートフォリオの1/4を金など貴金属で保有するよう奨めている。
その理由は最近のナラティブのとおり。
各国の大規模な金融・財政政策により法定通貨が減価を始めるとのシナリオだ。

ファーバー氏は従来、自身の資産配分を株、不動産、現金・債券、金に1/4ずつと話してきた。
昨年末、株式のバリュエーションが高まると、株式へのエクスポージャーを緩やかに資産の25%から20%に減らすと表明している。

ファーバー氏は以前から中央銀行を支える経済学者に対して厳しい。
この日も「何についても学者のことを信じていない」、「役立たず」と罵る。
そして、その考えこそが金保有の理由だという。

20-30年彼ら学者の話を聞いてきて、彼らが貨幣増発を続けると結論した。
金融システムが破綻しているからだ。
彼らは米政府、州政府、年金を救済しなければならない。
システム内の未積立の負債は莫大だ。

とりわけこの問題は米国において先鋭だ。
莫大な双子の赤字の一方で米ドルは依然として強い。

ファーバー氏は、米ドルの主要準備通貨の地位が終わる可能性に言及した。

「世界中の無知な政府の官僚や中央銀行家であっても、米国がもはや世界の準備通貨の信頼のおける発行者ではないことを理解・認識しなければいけない。・・・
いつかはわからないが、5年のうちに米ドルが準備通貨でなくなる可能性がある。
金本位制に戻るかもしれない。」

ファーバー氏は、暗号資産について尋ねられると、注意喚起付きの推奨を行っている。
注意喚起とは

「問題は、どこの悪党が暗号資産をコントロールするかだ。
『自分たちは22百万ビットコイン(ママ)しか発行しない』という誰かを信じる必要がある。」

政府でさえ信用できないのに、暗号資産を信頼できるのか。
暗号資産の保有者・利用者は何もコードやシステム構成を常にチェックしながら保有・利用するわけではないだろう。

一方、ファーバー氏の推奨とは

「私はビットコインに未来はあると思うし、投資家には資産のほんの僅かを配分することは少なくとも奨めたい。
ビットコインは金・銀・プラチナが上昇するのと同じ理由で、米ドルに対して上昇するだろう。」

暗号資産と貴金属が同じロジックで上げるというのが本当ならば、あとは投資家の好みということになるのだろう。
ただ、暗号資産の全体に占める構成比を数%にするというなら、仮に全損でも大して痛くない規模であり、ある程度理に適っているといえるのかもしれない。

ファーバー氏は、逆に来年にかけて貴金属や暗号資産が下落するケースも想定している。
根拠は述べていないが、世界は大混乱し、株式は急落しているだろうと話す。

みんな崩壊する可能性だってある。
その可能性を排除していない。
みんな崩壊するなら、金を持っている方がいい。
金の唯一の問題は、政府が悪意を持った時、彼らが金を没収するだろうことだ。
だから、上手に隠した方がいい。

やはりファーバー氏は金推しなのだ。


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