海外経済 投資

金を買い続ける:マーク・モビアス
2020年7月27日

マーク・モビアス氏が、世界経済の回復に自信を示す一方で、一見異なる方向性にも感じられる金投資への強気スタンスを継続している。


こんなことは典型的なことだ。
私はいつも市場が克服しようとする心配の壁について話してきた。・・・
ニュースはもちろん害をなすことを伝えるから、ネガティブになる傾向がある。
しかし、人々はV字回復を見込んでいる。

モビアス氏が、ニュースと市場の間の温度差について「典型的」な現象にすぎないと解説した。
ニュースは何か危ういところを選んで報じる傾向があるし、市場は将来の明るいところに目をやりしばらく「心配の壁」を登り続ける傾向があるからだ。
同氏は、実際に世界経済、新興国も米国も、(相対的には)急速に回復を始めていると指摘する。

モビアス氏は先月にもニュースと市場の乖離について尋ねられ、市場を信じる、つまり経済はV字回復になるときっぱり言い切っていた。
メディアと市場、いずれを信じるかについて、同氏の信念を表すようなシーンだった。

V字回復期待といえば能天気なように聞こえるが、モビアス氏はその裏でしたたかな分析をしているようだ。
新興国市場を回復させている要因を尋ねられると、3点を挙げている。

  • FRB政策にともなう金利低下
  • 世界銀行・IMF等による資金供給
  • 各国の財政政策

いずれも政策効果であり、経済の自律的V字回復ではない。
(強いていうなら従属的回復とでもいうべきか。)
能天気なように見えて実はかなりの現実主義なのが、この投資家の強さの1つなのだろう。

モビアス氏は自らこのテーマを打ち切り、金投資に言及している。

金は今年3月以降S&P 500に対し出遅れていたが、この5年間で見ると底値から約75%上昇と、ほぼ同等の上げとなっている。・・・
株式はインフレに適応するため、みんな資本を保存するために株式を物色しており、金もそうだ。
これは投資に対するある種のヘッジなんだ。

債券利回りがもっと高ければ、人々は債券をヘッジ手段として使う。
しかし、今は多くの国でゼロ金利だ。
こうした環境では、金の最大の弱点の1つ、インカム・ゲインを生まないという面がほとんど効いてこなくなる。
さらに、今金を買っている人が求めるヘッジの対象は不確実性だけでなくインフレも含まれていよう。
(ただし期待インフレはまだ低く、徐々に回復中だ。)
インフレのヘッジに債券はむしろ逆効果を及ぼす。

モビアス氏はさらに、金鉱山の産出量がコロナ・ショックで低下するとの観測も述べている。
以前から金に強気だった同氏は、今後もしばらく強気スタンスを続けるようだ。

今も買うだろうし、買い続けるだろう。・・・
銀も金を追う傾向があるから同じだが、金が最も重要だ。


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