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金は買われすぎだがもっと上がる:マーク・ファーバー
2020年8月3日

スイス人著名投資家マーク・ファーバー氏が、リスク資産が上昇している背景を解説し、足元で買われすぎの貴金属がさらに上昇する可能性を示唆している。


実際のところ私は、世界で起こっていることを市場は密接に反映していると信じている。
市場が上昇しているのは、必ずしも消費者物価のインフレを予想しているためではなく、過剰な貨幣増発とマイナス金利によって紙幣の購買力が侵食されていると投資家が理解しているためだ。

ファーバー氏が月例書簡で、最近の市場は経済実勢を反映していると主張している。
市場と経済のファンダメンタルズに乖離が存在するとの指摘に対する反論だろう。

実際のところ、市場とファンダメンタルズに乖離があるのかどうかは時間が経たないとわからない。
1ついえるのは、市場は将来のファンダメンタルズを予想して価格を形成している点だ。
慎重派はその予想が楽観的すぎると見ているのに対し、、ファーバー氏は市場の側に賛成しているのだ。
中でも重要なのは、貨幣の購買力が低下していくとの予想だ。
これまでディスインフレ的な環境が続き、現在もどちらかといえばデフレ的な面が強いが、多くの投資家はこれが変転すると考えているのだ。

ファーバー氏は、各国中央銀行が貨幣増発(バランスシート拡大)を継続すると想定すべきと考えている。
その上で、どうしたら「貨幣的インフレ」から身を守ることができるかと問うている。
同氏は淡々と現実を描写し、将来を予想する。

「投資家は、貴金属や暗号資産のように、貨幣増発と同様のスピードでは増大しえない資産へ逃避しようとしている。
また、レンブラント・ピカソ・ゴッホなどの絵画や古切手のように、供給が全く拡大しえない資産にお金を移すことを選択するかもしれない。」

ファーバー氏は、貴金属が短期的に買われすぎである点を認めつつ、さらに大きく上昇する可能性も見ている。
まだ貴金属を保有していない潜在的な投資家は無数に存在し、今後もっと高い価格で参入してくる可能性があるためだ。

私は、貴金属を基本の配分だけ保有しておき、望むなら、時に応じてトレード・ポジションを取るのを奨める。
システムへの信認が侵食されれば(まだ信認が残っていることに驚いている)、世界に金融資産と中央銀行が生み出した流動性の文脈で考えて、貴金属価格をはるかに高く押し上げるのにたいしたお金は必要ないだろう。

ファーバー氏は以前から自身の資産配分を株、不動産、現金・債券、金に1/4ずつと話し、投資家にも奨めてきた。
おそらく1/4が同氏の「基本の配分」なのだ。
ところが、昨年12月の月例書簡では株式への配分を1/5に減らしていると明かしている。
この分が何に配分されたかは明らかでないが、インフレ予想で債券というのはあるまいから、不動産または貴金属に向かったのだろう。
また、最近は金と限定するのではなく貴金属と幅広に言及することが多くなっている。


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