アリアンツ首席経済アドバイザー モハメド・エラリアン氏が、リスク分散のために金と現金のどちらがいいか暗示している。
どうリスク緩和するかという課題が投資家の頭痛の種になっている。
単純に、債券が株価変動をあまり打ち消してくれないためだ。
金をポートフォリオに組み込むべきかBloombergから尋ねられ、エラリアン氏がその背景を説明した。
同氏は2019年が「夢の中で生きている」ような状況だったと表現した。
(似たような話をジェフリー・ガンドラックもしていた。)
エラリアン氏が「夢」と形容したのは
- 株価上昇。
- 債券も上昇したため、リスク軽減のコストがかからなかった。
- ほとんどボラティリティもなかった。
強烈な金融相場の中で、株式も債券も一緒に上昇したのだ。
これは、株式と債券による分散投資のリスク軽減効果が低下していたことを示している。
それでも、両方とも上昇したのだから、結果だけを見れば、リスクが緩和されなくてよかったのだ。
しかし、もちろんこうした「夢」のような時が永遠に続くはずもない。
いつかはわからないが、いつかは変化するはずだ。
「今後はリスク緩和が容易でなくなることが懸念されることになろう。
私は現金を選好している。
現金はある特徴、迅速性を与えてくれるからだ。」
エラリアン氏はあえて金には言及しなかった。
金にコメントすることなく、現金保有を奨めている。
しかも、その理由がまたジェフリー・ガンドラック氏とよく似ている。
私は今後はボラティリティが上昇すると予想している。
このボラティリティは、ファンダメンタルズのよいクレジットにも、それほどでもないクレジットにも打撃を与えるだろう。
良い銘柄をより安く拾えるように現金を持ちたい。
高名な投資家たちが次の相場下落に備え現金など下方リスクがなく流動性の高い資産クラスを積み増している。
いす取りゲームの音楽はすでに始まっているのかもしれないと思わせる雰囲気だ。
このニュースで一番考えさせられたのは、実はエラリアン氏の発言ではない。
リヤドから参加したキャスターの感想だった。
銀行に置いてある現金をどうしようか必死に考えてるところなんだけどね。