量的緩和の罠:ジェフリー・ガンドラックのつぶやき

新債券王ことDoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏のこの数日のツイートを眺めておこう。
投資について直接触れたものはほとんどないが、王の目線がわかるはずだ。


まずは米政治についてのツイート。
最近、富裕層への資産税導入を提起し、2020年の大統領選出馬を正式表明したエリザベス・ウォーレン上院議員について:

「ウォーレンが言った:
歳出増のためには財源のオフセットが必要との考えは『意味がない。』
私たちは『米国の財政会計制度を再検討』しなければならない。」

共和党も民主党も財政規律や財政の持続性には無関心・無頓着なのだ。
これが中長期で米債券・為替市場に及ぼす影響に注意しなければいけない。

2020年の大統領選について:

「2020年大統領選について予想しろと言われた。
いくらなんでもまだ早すぎる!
今すでに言えることは、アイデンティティ政治を説く者は敗れ去るということ。
ヒラリー・クリントンが試みて(うまくいかないのは)証明済みだ。

民主党にとっての2020年とは、共和党にとっての2016年と同じだ。
退屈なレトリックの古い秩序が去り、仮に悪いものであっても選挙民にとって重要な考えによる新秩序がやってくる。」

とても不吉な予想だ。
「仮に悪いものであっても選挙民にとって重要な考え」とは卓見であり、もう少し具体的に言えば、ポピュリスト政治家が荒唐無稽な政策で人気を勝ち取ってしまうことを指している。
私たちは、今よりさらにおかしな政策の洪水に巻き込まれるかもしれない。
これを防ぐのに有用なのは、聞こえがよく害の少ないおもちゃを政治家に与えることではないか。

個別銘柄については、ソシエテ・ジェネラルのCEOへの批判を繰り返した:

「ウデアCEOがソシエテ・ジェネラルを台無しにする以外何もわかっていない状況を続けるにつれ、凋落する同社の株価は5年ぶり安値をつけた。」


相変わらず辛らつだ。
前回同様のツイートした直後にツイッターを終了するかという騒ぎになったのだが、この件ではなかったのだろうか。

悪質なマスコミについて:

「ジェフ・ベゾス(アマゾンCEO)が脅迫とゆすりへの反抗に立ち上がったが、幸運を祈りたい。
ゆすり屋は表ざたにされたくないようだ。
私も(ゆすられた)経験がある。」

米タブロイド紙「The National Enquirer」から不倫の証拠をもとにゆすられていたベゾス氏は、その要求を跳ねのけた。
結果、不倫の記事が同紙に掲載されることになった。
(最近のベゾス氏の離婚は不倫が原因とも噂された。)
正確に言うと、ゆすってきたのは同紙の発行元American Media, Incで、この会社がトランプ大統領と近いと言われている。
これまでも様々な手段を用い、ある時は大統領のスキャンダルをもみ消し、ある時は政敵を陥れてきたと噂されている。
ちなみにベゾス氏は、政権と対立するリベラルな名門紙ワシントン・ポストのオーナーだ。

金融政策についても短くツイートしている:

FRBが現在、量的緩和を『非常時』やFF金利が『ゼロ金利近傍』にある間だけでなく正規のツールとして用いることを検討していると言っている。

《量的緩和の罠》がますます鮮明になっていく。
リスク管理という概念を知らない人は、中央銀行のバランスシートは膨張したままでも問題ないという。
しかし、そこには何1つ根拠がない。
この未踏の領域のリスクを避けたいがためにFRBは思慮深くまずはバランスシート縮小を試みた。
正常化できるならそれに越したことがないからだ。
しかし、昨年第4四半期の市場の混乱を見る限り、完全な正常化は難しそうだ。
だから、バランスシートの膨張を容認する道筋を探し出したのだろう。
これは、中央銀行の財務が常に大きな金利変動リスクにさらされることを暗示している。

その他、ジェームズ・ブラウンに関するCNN番組についてもツイートしていたが、さすがにそれは割愛しよう。


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