アリアンツ首席経済アドバイザー モハメド・エラリアン氏は、米市場が選挙の展開について適切に織り込みつつあるとコメントしている。
今明らかになっているのは、国が深く分断されているということだ。
これが、今後待ち構えるコロナウィルスに関する経済的問題をどう対処することになるか示唆を与えている。
エラリアン氏がCNBCで、当日になっても不透明感が消える様子のない大統領選についてコメントした。
今の時点でいえそうなのは、ブルーウェイブ(民主党の大統領・上下両院総獲り)がなさそうなこと。
これは、選挙直前の世論調査、オッズ、下馬評などとはやや異なる成り行きだろう。
市場はかなり合理的な反応をしている。
エラリアン氏は、こうした不透明でややサプライズのある展開に対して、市場が合理的に反応していると話す。
その反応とは、
- 株式:「ボラティリティが高く、ダウ平均が(一時)下げ、NASDAQが上げている。」
- 債券: 長期金利が低下し、イールドカーブがフラット化した。
エラリアン氏は、これら株式・債券市場の反応が、現状に対する市場の3つの解釈を反映したものだという。
1.大きな経済的ブレークスルーは期待されず、大規模財政政策等は忘れるしかない。
2.FRBがもっと介入し追加策を講じる必要に迫られる。・・・
3.コロナ克服には時間がかかり、ステイホーム銘柄が良好になる。
仮にバイデン勝利となっても、ブルーウェイブの場合より財政政策の規模は小さくなるだろう。
だから、株式市場への波及効果はあまり幅広いものにならない可能性がある。
一方、インフレ懸念も相対的に小さくなるから金利上昇の懸念は小さくなる。
財政の代わりに金融政策が望まれ、金融政策はより緩和的になると予想される。
長期金利は下がり、低金利の恩恵を受けやすいグロース銘柄等が恩恵を受ける。
市場は極めて冷静にこの展開を織り込みなおしているように見える。