通貨膨張から身を守る方法:マーク・ファーバー

スイス人著名投資家マーク・ファーバー氏のMoney Metals Exchangeインタビュー第2弾。
各国の量的緩和がもたらす未来に投資家が生き残るための方法が語られている。


ハイパーインフレのケース、1922-23年のドイツでは中間層が本質的に消滅した。
彼らはさまざまな理由で基本的にほとんどの貯蓄を失った。
しかし、金持ちは大儲けした。

ファーバー氏が貴金属販売Money Metals Exchangeのインタビューで、ドイツの通貨膨張とハイパーインフレについて研究していることを明かした。
同氏はその時代を現在と比較している。
似たところも多いが、異なるところもある。

似ているのは、通貨膨張が社会の断絶を生み出す要因となっている点だ。
格差拡大をポピュリストが利用している。
異なるのは、現在の中間層がまだ財産を失っていないこと。
今のところは、金持ちが大金持ちになったことで相対的に貧乏になった程度で済んでいる。
なぜ現在の中間層は踏みとどまっているのか。
ファーバー氏が解説している。

ドイツの場合、他国がインフレにならなかったことがハイパーインフレの発生を可能にした。
だから、マルクが外国通貨に対して減価し、それがインフレ圧力を増した。
現在の世界の金融政策の状況では、みんなが量的緩和を行っているために通貨が互いに大して崩壊しない。

ファーバー氏は一部の新興国通貨での例外は認めるものの、主要国通貨でのハイパーインフレは起こりにくいと考えている。
どの主要国通貨でも量的緩和が実施されており、人々に安全回避地が与えられていないからだ。
では、主要国通貨がすべて堕落している限り、それらの崩壊が起こらないと考えていいのか。
ファーバー氏は、通貨の崩壊は起こりうるとし、極めて回りくどい言い方で1つの可能性を述べている。


「私は、それらすべての通貨が貴金属に対して暴落すると考えている。
考えられることであり、わからないことでもある。
また、通貨はいくつかの仮想通貨に対しても暴落する可能性がある。
わからないし、空論の段階だが、ビットコインが本位、仮想通貨の金本位になる可能性があるが、確実ではない。」

なんとも歯切れの悪い言い方ではないか。
誰かに頼まれて言っているのだろうか。
ファーバー氏はこの後、急にいつものようにオーソドックスなアドバイスに戻っている。

私が言いたいのは、量的緩和がなされている環境においては、投資家は分散する必要があるということだ。
株式をいくらか保有しないといけない。

ファーバー氏は従来から、株式・債券・貴金属現物・不動産に1/4ずつ分散投資することを奨めてきた。
配分はともかく、とてもオーソドックスな奨めと言えるだろう。
さらに、今回のインタビューでは通貨膨張の帰結についてシナリオ別にコメントをしている。

通貨膨張がデフレ的な崩壊になるかどうかはわからない。

ファーバー氏は、通貨膨張がデフレを招く可能性、インフレを招く可能性の両方を見ているのである。
デフレでの決着とはリーマン危機のようなものを指し、インフレでの決着とは1970-80年代の高インフレを指すのだろう。

  • デフレ的な崩壊なら米国債
  • 高インフレなら農地・海外不動産・貴金属

などが投資先の候補になるという。
ただし、どちらのシナリオでも貴金属は持っておくべきと述べた。
資産に占める貴金属の割合は自身で判断すべきとしつつ、20-25%を奨めていると話した。

最後の問いは、貴金属の中で何を買えばいいかだ。

現時点では貴金属の中でプラチナが最も割安だと考えている。
しかも見通しも好ましい。
供給不足が予想され、金・銀を大きくアウトパフォームする可能性がある。


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