海外経済 投資

途方もないチャンス:ラリー・フィンク

資産運用の世界最大手ブラックロックのローレンス・D・フィンクCEOが、コロナ・ショック後のチャンスについて書いている。


コロナウィルスが国々、顧客、従業員、株主に与えるインプリケーションは大きい。
そして、今後数年に渡って反響を残すだろう。

フィンク氏が株主向け書簡で書いている。
同氏にとっても、44年間の金融でのキャリアの中で、コロナ・ショックのような経験は初めてだという。
ブラックロックもテレワークを徹底し、フィンク氏も自宅でこの書簡を書いたのだという。

「大感染がプレッシャーを与えたのは単に金融市場と短期の経済成長だけではない:
これがグローバル経済に関する多くの前提の再検討を迫っている。」

フィンク氏は今後多くのことが見直されていくと予想する。
JIT、サプライチェーン、航空旅客、働き方、買い物、旅行、集まり、家族のあり方など、見直される対象は広範だ。
フィンク氏は、コロナ・ショックが終わった後「世界は違うものになっている」と予想し、長期的なものの考え方がいつになく重要と説いている。

変化が不確実性やリスクを生むものであるのは間違いない。
フィンク氏も「リスクがないとは言わないし、市場が底を打ったとも言わない」と書いている。
しかし、不確実性やリスクには両面の可能性がある。
物事が悪化する可能性もあれば、改善する可能性もある。

フィンク氏は、長期的視点からコロナ後のチャンスも見据えている。

「これまでが劇的だったのと同様、私は経済が堅調に回復すると信じている。
理由の1つは、現在の状況には、典型的な金融危機の回復の妨げとなるものが見られないためだ。」

人類が新型コロナウィルスを永遠に克服できないと考える人は少数だ。
いつか、早ければ数か月、遅くても1年後ぐらいには医療面でのブレークスルーが実現するだろうと期待するのはおかしなことではない。
そうしたブレークスルーによってウィルスが小康となり、経済活動が戻れば何が起こるか。
今のところ、リーマン危機などのような金融システムの崩壊懸念は存在しない。
極めて大規模な政策対応が比較的スムーズに議論・実施されている。
事業会社でも、ほとんどの主要なプレーヤーは生き抜くのだろう。
その時、何が起こるのか。

経済活動が再開すれば、現在スタートしつつある大規模な刺激策は縮小されるだろうか。
おそらく縮小までには相応の時間がかかるのだろう。
仮に経済活動の再開が比較的早期に実現すれば、正常化した実体経済・市場が大規模な刺激策の中に置かれることになる。

世界はこの危機を脱し、経済は回復する。
足元のぐらついた地面ではなく、その先の水平線を見据える投資家にとっては、今日の市場には途方もないチャンスがあるはずだ。
・・・実際、私たちの顧客の多く、リスク選好によりフィクスト・インカムに重く配分する顧客であっても、現在の市場において株式を増やそうと物色している。

フィンク氏は2019年4月、カネ余りを理由に市場のメルト・アップの可能性に言及した。
コロナ・ショックからの立ち直りが早い場合、経済の状況に比べ金融政策だけでなく財政政策も拡張的になりすぎる状況が起こりうる。
もちろん逆に、立ち直りが遅ければ、大きな停滞に陥る可能性もある。


-海外経済, 投資
-

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 その他利用規約をご覧ください。