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グッゲンハイム スコット・マイナード 趨勢的なディスインフレが続く:スコット・マイナード

グッゲンハイム・パートナーズのスコット・マイナード氏が、またコンセンサスから外れた予想を続けている。
米経済における趨勢的なディスインフレがまだ継続するというものだ。


今後数か月のうちにインフレ懸念がさらに高まり債券が売られるなら、それは買いのチャンスだ。
私たちの分析では、過去数十年の趨勢的なディスインフレの向かい風は結局、一時的な供給不足による物価上昇よりも長く続くことになると示唆している。

マイナード氏のオフィスが同社サイトで、ディスインフレの継続を予想した。
いくつか根拠を挙げている:

  • 経済再開による需要増は一時的要因。
  • 供給能力不足も通常短期間で終わる。
  • 足下の高い物価上昇率の一因であるベース効果は、来年は逆に効く。
  • ヘルスケア分野では、パンデミック関連需要が終わる。
  • ワクチン接種で労働力の供給増が見込まれる。

いずれも実体経済にかかわる要因である点、まっとうな分析だが、財政にかかわる要因に触れられていないのが残念だ。

ディスインフレに慣れきった日本人からは想像するのが難しいが、米市場におけるインフレ懸念はかなりのものだ。
多くの人が、インフレに賭けこそしなくても、インフレの可能性をかなり見ている。
結果、債券市場が予想する将来のインフレ率であるブレークイーブン・インフレ率は4月30日で10年もの2.41%、5年もの2.57%と高い水準にある。
今後10年間の平均で、債券市場は米インフレを2.41%と見ており、言うまでもなくこれはFRBの2%物価目標を大きくオーバーシュートしている。

10年(青)、5年(赤)の米ブレークイーブン・インフレ率
10年(青)、5年(赤)の米ブレークイーブン・インフレ率

もちろんブレークイーブン・インフレ率は1つの予想であって(他の指標と同様)何らかの歪みがあるかもしれないし、ましてやインフレの実績値ではない。
だから、一面で債券市場が高いインフレを予想していても、現実はもっと低くなることもある。
マイナード氏はまさにそれを予想している。
同氏らしい、コンセンサス外れの予想だ。

卓越した投資家なら、いくらでも山を張ることで儲けることができるのだろうが、そうでないなら山を張らないことが大切だろう。
たとえば、どんなシナリオがありうるのか。

マイナード氏のディスインフレ予想が当たる場合:
・同氏の予想どおり、長期で株式・債券ともに上昇する。
 あるいは
・ディスインフレは続くが、日本化も進み、株式は低迷する。

マイナード氏のディスインフレ予想が外れる場合:
・リスク資産市場での高揚がしばし続くが、そう遠くなく冷水を浴びせられる。

マイナード氏は最近、テイパリングまでは市場予想よりはるかに時間があり、長期的に株式・債券ともに上昇すると予想している。
しかし、ディスインフレが続くのに良いことばかりというのは、どうにも信じがたい話ではないか。


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