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起こりうるのは通貨への疑念:ウォーレン・バフェット
2020年5月5日

ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイの年次総会第4弾: 米国債はデフォルトするか、との問いに答えている。


国家が自国通貨建てで債券を発行している限り、起こりうるのは通貨への疑念であって(債券の)デフォルトではない。
これまで米国は賢明であり、国民も信頼し、自国通貨建て債務を発行してきた。

バフェット氏が株主総会で、米政府債務のデフォルトの可能性を尋ねられている。
同氏が「デフォルト」と呼んだのは、テクニカル・デフォルトでも手続き上返済が遅延することでもなく、米政府が債務返済不能になることを指しているようだ。
バフェット氏の回答は世間のコンセンサス通り。
自国通貨建ての債務は、なんとなれば通貨発行を行い返済できるから、デフォルトは起こさないですむ。

ポイントは2つ。
まず、自国通貨建てであること。
バフェット氏は「トリックは自国通貨建てで借りることだ」と明言している。
逆に、外貨建て債務のある多くの国々が今後困難な時を迎えるとも話している。

自国通貨建てならデフォルトしないのが事実としても、これは一般人の感覚からは大きくそれている。
もしもこれが通るなら、政府は無制限に借金ができ、税金さえ不必要ということになる。
これにも明快なトリックがある。
バフェット氏は「結局は購買力が疑わしくなりうる」と述べている。
国債は額面通り償還されるが、その額面の価値が低下しうるのだ。
100ドルで買った国債は100ドルで返ってくるかもしれない。
しかし、ドルの価値が財政悪化にともない大きく低下するかもしれない。
自国通貨建て国債のマジックとは、国債の自国通貨建て価値を守ると見せて、価値下落を通貨に押し付けるようなものなのである。

バフェット氏が、こうしたマジックを知りながら「政府のデフォルトは心配するな」と良い面を先に述べるのには理由がありそうだ。
1つは安易な緊縮路線への批判だ。
かつての共和党による頑なな債務上限への姿勢をあてこすっている。
バフェット氏は「国家は債務支払い能力を成長させる」と指摘している。

もう1つは、支払い能力の成長を担保するのは何かにある。
それは、バフェット氏の揺るがない米国への自信だ。

誰も米国を止めることはできない。・・・
この困難は他の何にも似ていないが、私たちはもっと厳しい困難にも直面してきた。
米国の奇跡、米国の魔法はいつも(困難を)克服してきたんだ。


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