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資本戦争がドル下落の引き金に:レイ・ダリオ
2020年7月27日

ブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏が、米中間の資本戦争の可能性とドル相場への影響、協調的金融・財政政策について語っている。


これら3つのことが最後に起こったのは1932-45年だ。

ダリオ氏がFOX Businessで、現在の情勢が戦前に似ていると指摘した。
同氏の軸はぶれない。
かねてよりの持論どおり、債務サイクル終期の貨幣増発、国内の分断、新興勢力の台頭という3つの流れが重要だと説明した。

保守系メディアの代表格FOXへの出演は、ダリオ氏にとっては敵地に1人で戦いにいくようなものだったかもしれない。
同氏とブリッジウォーターは親中で知られ、ブリッジウォーターは中国において外資の中で別格の待遇を受けるなど、中国政府との関係も良好だ。
FOXは、米企業が中国ビジネスを継続することの是非を問いたかったようだ。

「米国は中国と対立しており、1930年代の戦争と似ているといってよい。
貿易戦争、技術戦争、地政学的な戦争、そして資本戦争も起こるかもしれない。」

ダリオ氏は米中関係の現実を説明している。
そして、資本戦争、つまり米国または双方が米中間のマネー・フローに対して資本規制をかけた場合、不測の事態を招きかねないと警告している。

もしも法律によって中国への投資を禁じたり、米国が中国に対して負う債券の返済を保留するかもしれないとすれば、ドルの価値について大きなインプリケーションを与える可能性がある。
自由市場の投資家は、こうしたことが政府によって命令されることに慣れていない。

米国では、トランプ大統領に近い上院議員が、中国が保有する米国債を放棄させるよう提案するなど、フェイク・ニュースと疑うような真実さえ伝わっている。
今の米国の指導者の中にはデフォルトの意味さえ理解できない人物がいるのだ。

敵地でもマイペースを崩さないダリオ氏だが、FOXと共有できる価値観もあったようだ。

「私が一番恐れるのは私たちのお金の健全性だ。
生産性を上げるのではなく、財政を赤字にし、債務を販売し、お金を刷り、長い間それを維持することは不可能だ。」

これは、ダリオ氏が自身の価値観を滲ませつつ話した点で興味深いものだ。
日頃は淡々と何が起こるか予想することが多い同氏。
ダリオ氏は以前から、ゼロ金利に行き着いた今、MMTのような金融・財政政策の協調が選択されると予想してきた。
(奇しくもその予想はコロナ・ショックで完全に実現したように見える。)
予想の際、ダリオ氏は時としてそうした政策を支持しているかのように見えることがあった。
ところが、この日の発言では、少なくとも長期的には政策の正常化が必要と考えていることが明確に見て取れた。

もしも私たちが、健全な行動を行い、生産性を高め、使うより多く稼ぎ、私たちの通貨の安定性や良好なバランスシートを築くことをしなければ、私たちは没落していくだろう。
こうしたことによって米国は没落しつつあるのだ。


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