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貪欲な資本市場がインフレを招く:デービッド・アインホーン

グリーンライト・キャピタルのデービッド・アインホーン氏は、投資家の資本コストの見方、偏った選好が、経済成長やインフレに影響を及ぼしていると指摘する。


「とても素晴らしい企業があって・・・株主資本コストが10%だったとしよう。
それなのに、市場データから計算される株主資本コストが25-30%だったとする。」

アインホーン氏がReal Visionで、投資家の投資先との会話の在り方について指摘している。

企業の側が考える資本コストと市場が考える資本コストの間に乖離が生じる場合である。
市場がより高い資本コストを要求するとは、典型的には株価が安い場合を指すようだ。
市場は、例えば低PER銘柄についてその益回り(PERの逆数)を期待リターンとすることがある。
低PERなら益回りは高いから、市場が考える資本コストは高くなる。

アインホーン氏は、こうした現象を次のように解釈する。

企業はこう言われていることになる:
『市場が内包する株主資本コストは25-30%なのだから、株主に資本を返して下さい。
10-12%のリターンである事業に再投資しないで。』

わかりやすく言うなら、株価が安いのだから自社株買いをしなさいという話だ。
しかし、仮に、資本コストが事業リスク以上となる10-12%のプロジェクトのチャンスを企業が有している場合、自社株買いは過少投資を引き起こしかねない。

アインホーン氏はさらに、市場の近視眼的考えが、企業の長期の事業投資を難しくしているという。

これが示唆するのは、オールド・エコノミーと呼ばれる幅広い多くの企業、あまりワクワクしない事業が、事業投資を選択していないということだ。・・・
みんな投資をしない結果、経済に不足が生じている。

アインホーン氏は、投資家の極端なニュー・エコノミー選好が、事業の発展を望むオールド・エコノミーを「飢えさせている」という。
こうした偏りはインデックス投資の拡大で助長されているが、そうでなくともアクティブ投資も専らニュー・エコノミーを選好しているという。
それによりオールド・エコノミーの供給力が拡大せず、最近の米インフレ高止まりの一因になっているとの考えだ。
この構造要因の存在から、アインホーン氏は、インフレを一過性とするFRBの考えに疑問を持ち続けている。

コアCPIでは、みんなが支払うすべてのものがとても周到に除外されている。・・・
食料とエネルギーが除外され、住居ほかが奇妙な形で入れられている。
そもそも医療費がきちんと入っていない。
だから、みんなが払うものの多くが(コア)CPIには入っていない。


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