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財政政策の規模はすでに十分:ジェームズ・ブラード
2020年4月6日

セントルイス連邦準備銀行ジェームズ・ブラード総裁が、政策の意図と規模感について語っている。


経済や労働市場が自由落下するとの考えには反対したい。

ブラード総裁がCBSで、米経済への過度の悲観を戒めた。
総裁が言いたいのは、経済悪化もまた想定の範囲ということだ。
失業保険申請者数が急増していることも、もちろん不幸なこととはいえ、「ある意味で・・・影響を受ける人々への給付が行われることを意味する」として、ひたすら悲観ばかりすべきではないとした。
総裁は、連邦議会が素早く行動したことを称賛し、中小企業向け融資等が今後功を奏する可能性が高いと期待した。

ブラード総裁は、議会が決めた財政政策の規模が適切であるとの見方を示し、目の子計算で根拠を示している。
米名目GDPは四半期あたり約5兆ドル、つまり約5兆ドルの所得を生み出す。
その半分程度がコロナ・ショックで失われるとすれば、2.5兆ドルの所得が減ってしまう。
これは、米議会が話している規模と似た水準にある。
だから、問題が1四半期程度で収まるなら、財政政策は十分な規模であることになる。

ブラード総裁の考えは、とても整理されたものだ。
現在考えられている財政政策とは財政刺激策ではなく救済策であるという点だ。
失われた所得を補うことが目的であるべきとの考えだ。
実際には所得は高所得者に偏る傾向にあるから、困窮する層が失う所得は2.5兆ドルよりはるかに少ないのだろう。
だから、全体の額としてはむしろ多すぎるのかもしれない。
(その一部が将来、経済成長に寄与し、場合によっては過熱させる可能性もある。)

問題はすでに額ではなく「実行上のリスク」にあるとブラート総裁は指摘する。

適切な額のリソースが得られている。
課題は、適切な人たちにどう届けるかにある。

ブラート総裁は、政策立案者の立場から、経済の停止は意図され制御されたものとアピールする。

「この病気が猛威をふるっている間、人々にはバスケットの試合に行ってほしくないし、飛行機にも乗ってほしくない。
だから、この危機の間すべての人が支払いに困らないよう努めており、そうすれば(危機を)脱出できるだろう。
経済そのものには問題はない。」

ブラート総裁は、コロナ・ショック前、米経済がかなり良好だった点を指摘した。

ブラート総裁は、全市民にウィルス検査を実施することを提案する。
陰性の人にバッジをつけさせれば、区別可能となり、接触の不安感を払しょくできるという。
経済において卓越した見識を持つ人が、疫学や人間行動の話になると猿知恵を話すところが興味深い。


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