ジム・ロジャーズ氏は、これまでの急速な市場回復の原因が異例の規模の財政・金融刺激策にあるとし、それが続く限り市場に幸福が続くと予想した。
世界中の政府・中央銀行が貨幣増発や借金で莫大なお金を支出している。
これが続く限り、市場の幸福は続くだろう。
ロジャーズ氏がThe Daily Mailの豪版で、今後の相場の展開を予想している。
同氏は、市場サイクルの終盤での《最後のひと上げ》が「ブローオフ」(噴き上がり)という表現のように急激なものになりうると話す。
市場がしばらく上昇し、断末魔の6か月から1年に再び2倍、3倍になる。
これが再び起こるかもしれない。
ロジャーズ氏は、大きく上昇するからといって喜べるものではないという。
その後、悪い終わり方をするのが通例だからだ。
ロジャーズ氏は、オーストラリアについて、次にコロナウィルスの波が襲えば、豪政府が問題を回避するのに十分な財政出動ができなくなると予想した。
豪経済にはウィルス感染そのものだけでなく、他にも潜在的な課題が存在する。
最大の輸出相手国である中国との関係だ。
コロナウィルスの出どころについての論争のほか、通商摩擦に発展する可能性もあるのだという。
ロジャーズ氏は、オーストラリアが「敵にしてはいけない相手を敵にしている」と話した。
ロジャーズ氏によれば、ブローオフが大きくなるほど、その後の崩壊もまた過酷になるという。
同氏は、今回も大惨事になると予想した。
次に弱気相場または経済問題がやってくれば、それは1942年に生まれた私の人生で最悪のものになる。・・・
だから、次に問題が起これば、あなたの人生でも最悪のものになる。
間違いなく大恐慌より悲惨なものになる。
ロジャーズ氏は、債務拡大により生み出された惨事の後始末が若い世代に押し付けられる構造を苦々しく思っている。
また、有望な投資先としては、従前どおり、金・銀や農業を挙げている。