財政カタストロフィがドル暴落を招く:ピーター・シフ

Euro Pacific Capitalのピーター・シフ氏が、どんどん失われる米政府の財政規律に嘆いている。
持論どおり、米ドルの暴落を予想し、金投資を奨めている。


要すれば、2つの政党とは次のように機能する:
民主党は歳出拡大と増税を約束し、共和党は歳出削減と減税を約束する。
しかし、民主党が力を得ている時、概して2つの目的を達成するのに対し、共和党ができるのは減税だけで、歳出削減は実現できない。
(歳出削減には、いつも人気の減税よりはるかに選択が難しい、政治的に困難な選択が要求される。)

シフ氏が自社コラムで、米国の2大政党政治の一般論を述べた。
共和党は財政面のタカ派のように見られることが多いが、実際はそうではない。
減税によって歳入を減らすことには熱心だが、歳出を絞り込むことができず、財政を悪化させてしまう。
課税でも歳出でも安きに流れてしまうのだ。

そこにドナルド・トランプが現れ、かつての共和党内にあった財政規律を求める声やティー・パーティーの動きなどを粉砕してしまった。

以前の共和党員とは異なり、トランプは歳出削減について一言もリップサービスをしなかった。
民間において自らを『借金王』と宣言したとおり、トランプは長期的に債権者と再交渉する機会がある限り、合理的に返済できると考えられる金額を超えて借金することに問題を感じなかった。
個人的に、過去40年にわたり(主に後先構わず)債務返済を拒否してきたのだから、今それをやめるとは到底思えない。


トランプ大統領は歳出削減を行わないのではなく、逆に歳出を拡大している。
これが米財政の悪化に拍車をかけている。
しかも、この部分はもっと深刻な社会保障費増の外数の話なのだ。

米大統領選が来年に迫っている。
しかし、歳出面だけについていうなら、右を向いても左を向いてもアクセル一辺倒だ。
もちろん中身が一番大切なのだが、よい中身が財政を完全に癒してくれるわけではないだろう。
(そんなすばらしい歳出は、とっくの昔に実施されている。)

最近の財政論議から、財政のカタストロフィへのトレンドに抵抗線が存在しないことが完全に明らかになった。
誰が選挙に勝とうが関係ない。
またの債務危機が不可避なのかもしれない。
米ドルは暴落するだろうし、債券投資家は逃げつつある。

シフ氏は持論であるドル暴落予想を語り、金投資を奨めている。

25日、民主党が過半数を取る下院において、超党派の法案が可決された。
トランプ大統領も支持する同法案では、債務上限の引き上げならびに今後2年の歳出積み増しが盛り込まれている。
この法律が成立すれば、政府閉鎖の確率は減り、債務上限によるデフォルトのリスクも大統領選挙後まで低減される。

一見リスク低減に見えるこうした動きも、シフ氏から見れば安きに流れて状況が悪化したとしか見えない。

今後数年、年数兆ドルの財政赤字が普通のこととなる。
・・・このメリーゴーランドは脱線するまで回り続ける。
誰も助けに来てはくれない。
共和党内の債務強硬派はみんな反対側(民主党)についた。
政治家にとっては物事が容易になったのだろうが、大衆にとってははるかに難しくなったんだ。


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