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誰がコロナウィルスのつけを払うのか:ジェレミー・シーゲル
2020年4月30日

ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授が、米政府による3兆ドルの財政出動の負担者について解説している。


システム内の流動性は急激に増え続けている。
言ってきたように、需要が抑圧される時期になるだろう。
今は経済が停止しているが、マネーは銀行口座の中で積み上がっている。」

シーゲル教授がウィズダムツリーでのウェブキャストで、流動性の拡大を指摘している。
最近の教授の投資テーマはすっかりこの流動性の拡大になった。

無理もない。
最近のFRBによる流動性供給は、量的緩和による単なるマネタリー・ベースの拡大にとどまらない。
政府は実際にそれを市民に配っている。
この協調的な金融・財政政策の効果は、単なる金融政策とは異なったものになるだろう。

シーゲル教授は、市民へのお金の配られ方に複雑な思いを抱いているようだ。

今はレイオフされた人がいて、たくさんの人が苦しんでいる。・・・それを軽視するつもりはない。
しかし、多くの記事が示すとおり、失業保険での600ドルの上乗せによって、週あたりの失業保険給付が失業者の賃金より2/3の州で高くなっている。
つまり、2/3の州ではレイオフされて収入が増えているんだ。

選挙の年に訪れた天災の被害者に、トランプ政権は手厚い保護を行っている。
それ自体は素晴らしいことだが、それでも副作用は存在する。
その副作用が来年から顕在化してくるかもしれない。

流動性の積み上がりがある。
一たび有効な治療薬やワクチンができたら、私は2021-22年に出てくると予想しているが、数十年ぶりのとても強い回復が実現し、インフレが3、4、5%かそれ以上になるだろう。

シーゲル教授は、このインフレ傾向へのシフトが40年続いた債券の強気相場を終わらせると予想する。
一方、米国株は今後良好なパフォーマンスを上げるという。
2021年以降、治療法・ワクチンの確立とともに、銀行口座に預けられている莫大な流動性が支出される。
マイルドなインフレも株式にはまだ追い風だ。

シーゲル教授は、この経済・市場の回復のタネとなる3兆ドルの財政支出についても解説する。

誰がコロナウィルスのつけを払わされるのか?
・・・基本的に債券保有者だ。
今日・明日ではないが、後に負担することなる。

同様の構図を日本は20年以上も続けている。
増税による財政再建ができないなら、金融抑圧あるいはインフレ税でなんとかするしかない。
日本の債券投資家・預金者は、低金利によってその負担を押し付けられてきたのだ。
そして、米国もリーマン危機後あたりからその傾向を強めている。


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