投資

覇権国家・新興国家で分散する:レイ・ダリオ
2019年8月7日

ブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏が、中国への投資に熱心な理由を語っている。
インタビュアーを務めた同社ストラテジストJim Haskel氏の質問が鋭く、なかなか面白い内容になっている。


考えてみて。
オランダ帝国に投資しなかったら。
産業革命と大英帝国に投資しなかったら。
米国と米帝国に投資しなかったら。
それと同じことなんだ。

ダリオ氏が公式YouTubeビデオで語っている。
早い時期から中国の可能性を見出し、中国政府とも良好な関係を築いてきたダリオ氏。
以前、中国はすぐに米国より大きくなると話し、世界の覇権国家の交代まで示唆したことがある。

ダリオ氏は中国に投資すべき2つ目の理由を挙げている。
ポートフォリオの分散効果だ。

中国は米国の競争相手、あるいは中国企業は米国ほか世界中の企業の競争相手だ。
だから、分散したければ、両方の馬に賭ければいい。
長年投資をしてきて思うのは、(投資家には)新しいことをやらないというバイアスがあることだ。

投資家には、投資のフロンティアに投資することにリスクを感知する能力がある。
しかし、そうしたフロンティアが往々にして高い成長の機会に恵まれているのも事実だ。
ダリオ氏は「成長のあるところに投資し分散することは賢いやり方だ」と話している。

ダリオ氏によれば、分散すべきか否かの試金石があるのだという。

「本当の問いは(米中が)戦争になるのかだ。
戦争になるなら違う世界になる。
私は古典的な戦争にはならないと考えている。」

軍事戦争とはならないものの対立が続けば、世界のサプライ・チェーンが再構築されることになるという。
米中いずれもが「進化」の可能性を持ち、だから両方をポートフォリオに組み込む分散が有効だという。

ダリオ氏は中国に投資すべき3つ目の理由を挙げている。

中国は米国より金融・財政政策を実行する能力を持っている。

先進各国の多くが金融・財政政策にマージンを残していない。
政策金利は下げの余地が乏しく、量的緩和の効果も低下が否定できず、財政政策の余裕もさほど大きくない。
それに比べれば、中国はまだ余地を残している。

ダリオ氏は中国投資の意義を3つ挙げたが、インタビュアーはそれだけでは納得しなかった。
中国投資が有望だとしても、なぜ今なのか。
米中摩擦がどんどんエスカレートしている今、なぜ中国なのか。
ダリオ氏は2つ理由を挙げている。

「開かれつつあるからだ。
早い参入も遅れての参入もあるだろう。
早い方がいいのは、MSCI指数などによる(中国の)組み込みが中国の開放を意味しており、その加速が組み込み比率を上昇させ続けているからだ。」

そして、もう1つの理由は世界の経済・市場の不透明感が増している点に根差すものだという。

「今こそ分散すべき時だと思う。
・・・
一番のリスクは、現在の市場において良く分散できていないことだ。」

なるほどもっともな理由だとは思うが、これで納得する人ばかりではないだろう。
先日、ダリオ氏は起こりつつあるパラダイム・シフトの中での投資戦略として金を奨めていた。
この時もリターン改善とリスク削減を理由に挙げていた。
同じダリオ氏が中国と言っても、なかなかすなおに納得はできまい。

ダリオ氏はもう1つ素直な情熱を語っている。

私はただみんなに客観的に中国を見てほしいんだ。
・・・
私は(中国で)行われていることに心から尊敬し、それに参加したいと思っている。
私たちの投資家にも参加してほしいと思っているんだ。


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