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行動変化が起こりつつある:モハメド・エラリアン
2021年12月7日

アリアンツ経済顧問のモハメド・エラリアン氏は、イールドカーブのフラット化がFRBの失策を反映したものだとして、スタグフレーションと景気後退のリスクが感じられ始めていると指摘した。


毎日イールドカーブを注視することを奨めたい。
利回りの水準ではなくカーブの形状だ。

エラリアン氏がCNBCで、米イールドカーブのフラット化について注意喚起した。
先週の長期金利低下はパウエルFRB議長のタカ派発言に反応したテクニカル要因の強い動きだったという。
つまり、タカ派に変化した金融政策を警戒し、株が売られ、それまで売られていた長期債が買われた。
しかし、今週に入ると株が戻っても長期金利はあまり戻らない。

米債利回り(青:2年、赤:10年)と2年-10年スプレッド(緑)
米債利回り(青:2年、赤:10年)と2年-10年スプレッド(緑)

エラリアン氏は、市場の考えを代弁する。

これは、政策の失敗に対する懸念の高まりを暗示し始めたものだ。
FRB(金融引き締め)が当初遅すぎ、後にやりすぎることへの懸念だ。
だからイールドカーブはフラットになり、2年-10年スプレッドが76 bpまで縮まったんだ。

雇用を優先しインフレを放置してきたFRBが、あわててブレーキの遅れを取り戻そうとしている。
ブレーキが強く踏まれれば、経済・市場はそれに耐えられないかもしれない。
だから、長期金利に弱気の風が現れてくる。

エラリアン氏は、目下の市場にとっての主たる脅威はインフレだという。
高インフレはFRBに強くブレーキを踏ませるためだ。
加えてオミクロン変異種と中国に関する懸念が存在する。
エラリアン氏は、市場が「短期的にはスタグフレーション、長期的には景気後退を感じ始めている」と解説する。

せめてもの救いは、長期でスタグフレーションが予想されていないことだろうか。
インフレは中期的には収束するとエラリアン氏は考えているのだろう。

「過去のインフレ・サイクルを振り返ると、1970年代に向かっているわけではないが、経済・市場が適応できないような状況に向かっている。
インフレがしばらく4%超で持続するような状況だ。」

エラリアン氏は、この「しばらく」の高インフレに大きなリスクが存在すると考えている。
「しばらく」続くことが、人々のインフレ期待をシフトさせてしまう可能性だ。

通常のサイクルでは、まず最初の混乱があって・・・これは深刻に捉えられず、その後人々の行動を変えていく。
賃金労働者の行動と価格設定者の行動だ。
今この行動変化が起こっているとする証拠が多く存在する。


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