国内経済

藤巻健史 藤巻健史議員:2017年、物価目標達成で起こる大問題

代替案が考えられない

藤巻議員のガラガラポン・シナリオ以外に日本には道がないのだろうか。
議員はあと2つの可能性を示唆している。


  • 先延ばし
    「(量的緩和を)継続すれば日本経済はすぐ破綻とはならないが、ジワジワと追い込まれていく。
    マーケットには事実上の財政ファイナンスであることが見破られてしまう。」
    議員が主張するとおり、時間延ばしにしかならない。
    しかし、意外と長い時間持つかもしれない。
    現状が「事実上の財政ファイナンスであること」をすでにマーケットは理解しつくしている。
  • 緊縮
    「明日から消費税を40%、年金を3分の1にし、国民皆保険をやめれば大丈夫だ。」
    緊縮の方が日本人に合っているように思える。
    ただし、税の取り方にはまだたくさん工夫の余地がある。
    国家破綻に近いシナリオを考えるなら、通貨切り替え財産税など検討できる選択肢はいくらでもある。
    もっとも、新自由主義に芯から染まった人には許容しがたい選択肢かもしれないが。

議員は、マイルド・インフレを長い期間続ける選択肢もあったと言うが、異次元緩和の実施によってブレーキをかけるのが難しくなったと可能性を否定している。
その他アイデアとしては、コントロールされたヘリコプター・マネーなども考えられ、今後再び真顔で議論される時が来るかもしれない。

先に結論ありき

藤巻議員はトレーダーらしく、結論を決め打ちしたがる。
そして、いつも天上天下唯我独尊だ。
一方で、2000年頃から、藤巻議員の国債市場予想は外れ続け、今では名誉ある「オオカミおじいさん」の称号まで得ている。
この15年で見れば、藤巻議員の勝率はゼロ、楽観派の勝率は100%に近い。
《もはやこれまで》といった悲観論に走るのではなく、前向きに可能性を模索すべきだ。
議員も自分の見る目のなさを認め、いくらか楽観した上で、さまざまな選択肢を模索すべきではないか。

最後に、藤巻議員のイデオロギー上の思い込みに関する部分を紹介しよう。
議員はガラガラポンが起これば

「これを機に日本が従来の社会主義的統制経済から、米国型の資本主義経済国家に脱皮できる可能性がある」

と期待を寄せている。
日本人のうちのどれだけが米国型の経済・社会を望んでいるのか。
藤巻議員は、全体のパイを増やす必要があり、そのためには米国型の資本主義が必要と考えているようだ。
しかし、すべての日本人がパイを大きくする必要があるとは考えていないし、成長のための資本主義が米国型である必要があるとも考えていない。
日本が、米国型を目指すのか、より社会主義的な欧州型を目指すのか、それはオープン・イシューだ。
そこに予見を持ってしまうから、議員のように選択肢を不必要に狭めてしまうのであろう。


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