海外経済 政治

英国はカタストロフィに:ジム・ロジャーズ

ジム・ロジャーズ氏が、Brexitが決定的となった英国について暗い将来を予想している。


「おそらく英連合王国の終わりを見ることになるだろう。
目の前で歴史を見ることになる。」

ロジャーズ氏がトルコ国営アナドル通信社のインタビューに応えた。
英国政選挙での保守党勝利により、Brexitの実現は決定的になった。
これにより、スコットランドや北アイルランドが連合王国から離脱することになるかもしれないとロジャーズ氏は予想する。
同氏の英国に対する展望は厳しい。

英国は極端な借金漬けだ。
世界で最も借金の多い国の1つだ。
それが崩壊を始めればカタストロフィになりうる。
この島が世界に売れるものはもう多くない。

クォンタム・ファンドの創成期、1980年までジョージ・ソロス氏を支えたロジャーズ氏は、英国の将来を暗く見ている。
一方で、1988年から2000年までクォンタム・ファンドを仕切り、1992年のポンド危機で世界を驚かす成果を上げたスタンリー・ドラッケンミラー氏は最近、英国の将来は明るいと話している。
好対照な見方が興味深い。

ロジャーズ氏は、Brexitや英国内の分断が欧州諸国に伝染すると予想する。

「欧州では『うまくいく。(EUを)離れ、国を分割しよう』という政治家が出てくるだろう。
・・・そうなれば、特に状況が悪化した時に、混乱は深刻化する。
私が生きてきた中で最悪の経済問題に発展するだろう。」

ロジャーズ氏の将来予想は概ね悲観的だ。
数年前から「数年後に人生最悪の危機が訪れる」と予想し続けているから当然といえば当然だ。
したがって、米市場についても弱気な見方になる。
トランプ大統領は再選のために、何が何でも経済・市場を支えようとすると予想し、しばらくは最後のひと上げが続くかもしれないとしながら、その先はむしろ良くない結果になるという。

トランプが景気拡大を引き延ばせばひき延ばすほど、その後の状況は悪化する。
次に問題が起こったら、大いに心配すべきだ。

これは口に出さなくとも多くの市場関係者が持つ心配事だろう。
ただし、こうした直観的に正しい予想も的中するとは限らないことは留意すべきだ。
ロジャーズ氏は前回の大統領選直前、トランプ勝利なら株は急落すると予想していた。
こう予想する人は少なくなかったし、後にトランプ大統領からフェイクニュース大賞を与えられたポール・クルーグマン教授も同様の予想をしていた。
しかし、結果は真逆だった。
直観に反するように思われたが、ジェフリー・ガンドラック氏、カール・アイカーン氏など、正しく予想した人も少なくなかった。

最近は日韓メディアの一部から《世界の3大投資家》などと取り上げられているジム・ロジャーズ氏。
本記事では同氏以外にも何人かの意見を紹介したので、最後に彼らの稼ぎを比較しておこう。
Forbesによる2018年世界長者番付の順位と純資産額だ。

1位: ジェフ・ペゾフ(1,310億ドル)
2位: ビル・ゲイツ(965億ドル)
3位: ウォーレン・バフェット(825億ドル)
・・・
57位: レイ・ダリオ(184億ドル)
・・・
61位: カール・アイカーン(174億ドル)
・・・
178位: ジョージ・ソロス(83億ドル)
・・・
413位: スタンリー・ドラッケンミラー(46億ドル)
・・・
715位: ドナルド・トランプ(31億ドル)
・・・
1168位: ジェフリー・ガンドラック(20億ドル)

ランキングは上位2,000名、同順位があったため2,057位まで記載されている。
2,057位(10億ドル)に97名いるため、ランキングに入った富豪は世界で2,153名となる。
このうち、金融・投資セクターからのランキング入りは307名だ。
残念ながら(もっとも毎年のことだが)ロジャーズ氏はランキングには入っていない。


-海外経済, 政治
-,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 その他利用規約をご覧ください。