ハワード・マークス

 

良い投資とは?:ハワード・マークス

Oaktree Capitalのハワード・マークス氏が1月、ジャンク債の帝王と呼ばれたマイケル・ミルケン氏と対談を行った。
低格付け債の世界の草分けである両氏の対談から、マークス氏の金言をいくつか紹介しよう。


今では米国で最も悪い会社の証券に投資している。
このことからの本当に重要な教訓は、良い投資とは良いものを買うことではなくうまく買うこと、ということだ。

マークス氏は、ミルケン氏と出会った1978年を回顧しつつ語った。

ディストレスト債と出会う前、マークス氏は株式リサーチでキャリアを積んでいた。
1960-70年代の米市場では「Nifty Fifty」と呼ばれた優良グロース株50銘柄が持てはやされ、バイ&ホールドが推奨された。
ところが、弱気相場になると、1972年末から1981年末までの9年で9割の銘柄がマイナス・リターンとなり、平均リターンはインフレ調整後で-46%だったという。
最良の銘柄と言われたものを買って、9年で半値近くになった。
この経験が、マークス氏の教訓につながった。

近著『市場サイクルを極める』で、さまざまな観点の中から「市場サイクル」を選んだ理由を尋ねられると、マークス氏は投資における心理的要因の重要性を話し出した。


「企業収益のグラフは経済のグラフよりはるかにボラティリティが高い。
株式市場のグラフを見ると、もっと(大きく波打っているん)だ。
なぜか。
何が違いかと言えば、心理なんだ。」

心理が波を増幅させるとマークス氏は言う。
しかも、この増幅器は移り気だ。
物理学者リチャード・ファインマンの言葉
「もしも電子に感情があったなら、物理学ははるかに難しかったろう。」
を引いて、投資がまさにその困難に直面する営みであると話す。

「人には感情があり、めったに思い通りに行動してくれない。
しばしば起こる出来事に対して過剰反応し、その過剰反応が過剰なボラティリティを生む。
人は過剰反応し、時にはまったく反応せず、時にはすべきことをする。」

これは投資の世界だけの話ではなかろう。
経済全体における金融経済のプレゼンスが大きくなるにつれ、こうした行動ファイナンス的視点はますます重要になっている。
それが仕事の出来を大きく左右するのだろう。

マークス氏は、投資家としての出来について選択を促す。

投資の世界で生き残りたいなら、そしてただ良いものをバイ&ホールドしたいなら、それも可能かもしれない。
でももっとうまくやりたいなら、心理の満ち引きを理解し、それに従って行動することがとても大切だ。


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