興味深いが生きにくい世界:デニス・ガートマン

デニス・ガートマン氏が、現状の困難な投資環境に対する戸惑いを吐露している。
日本を引き合いに、米市場も長期的に低金利が続きかねないと指摘している。


「今回のイールド・カーブ逆転は興味深い。
FRBが金融緩和をし、オーバーナイトFF金利をすでに1回引き下げ、今後も引き下げるだろう中で起こった。
カーブの長期側が共犯のように低下した。」

ガートマン氏がBloombergで、今回の米イールド・カーブの長短逆転を振り返った。
同氏には珍しく、だから景気後退・弱気相場だとか、景気拡大・強気相場継続だとかを予想することはなかった。
50年近い市場経験を誇るガートマン氏にしても、現在の金融環境は当惑させるものであるようだ。

「私は1972年以来債券市場にかかわっているが、シカゴ取引所の債券ピットにいたとき長期債利回りは14.5%だった。
40年間の強気相場を経てここまで来たのは本当に驚くべきことだ。」

ガートマン氏は、前回米国でインフレが吹き荒れた時代、その終焉となったボルカー・ショックの時代を知っている。
しかし、その同氏にしても、低インフレが高インフレに変化する過程を知り尽くしているわけではないようだ。

最後は金利は上がるだろうが、かなりの時間がかかるだろう。
みんな知っているとおり、日本では20年間にわたって金利が上がると予想されてきたが、今でも最低値を更新している。
とても興味深いが、とても生きにくい世界になった。


評論家である前に投資家であるガートマン氏は、あまりにも多くの地政学的リスクが存在すると当惑する。
「夜も眠れない」とこぼしている。

アクロン大学寄付委員会会長、ノースカロライナ州基金役員を務めるガートマン氏は、公的基金もまた低金利長期化の見通しに困惑していると解説する。

どの寄付基金もいうように、通常は基金の40%は債券で運用するものだ。
しかし、今では株式市場を増やさざるをえなくなっている。
・・・ほかに選択肢がないからだ。

TINAトレードが再び投資の判断基準になった。
多彩なリスク資産を推奨してきたガートマン氏が、究極の資産クラスを推奨している。

株式市場を増やしたところは、突然のことに(下落に)まったく当惑している。
当惑する、混乱する時期であり、おそらく現金はさほど悪い投資先ではないのだろう。


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