PIMCOのエリン・ブラウン氏らが、2024年は債券が絶好の投資先になると予想している。
裏返せば、株式によからぬことが起こりうると見ているのだ。
世界経済の見通し、市場バリュエーションや資産クラスのファンダメンタルズのすべてが、フィクスト・インカムを選好すべきと示している。
株式と比べて、今日、債券はかつてほとんど見られなかったほど魅力的だ。
PIMCOが資産配分見通しで、債券に対して極めて強い見通しを示している。
もっとも、昨年もPIMCOは債券に強気だった。
同社が描く景気後退シナリオが後倒しになり、債券の魅力がいっそう増したということだろう。
詳細は原文をあたるとよいが、注目ポイントは以下のとおり。
クロス・アセットの視点:
- 米経済の1年内の景気後退入り確率を約50%と推計。株式市場は楽観しすぎ。
- 物価目標に近づくにつれ、債券と株式は逆相関に。
- バリュエーション(債券利回りや株価倍率)は債券が魅力的。
- 質の高い債券を重視。
- 利回りを固定するため短期でなく中期へ。
「現在のスタート時の利回りでは、私たちはフィクスト・インカムを単独で選好する。
株式バリュエーションとの比較はこの考えを強く支持する。
フィクスト・インカムは魅力的なリターンを与える可能性があり、停滞期にはポートフォリオの緩衝材となる。
マクロ経済の不確実性を考えて、私たちはアクティブ運用を用い、高い質と強固な利回りに目を向けてデュレーション・ポジションを分散している。」
フィクスト・インカムの地域についてのコメント:
- 米国は中期債。豪・加・英・欧にもチャンス。
- 新興国市場ではブラジル、メキシコなどでデュレーションをオーバーウェイト。
- 日本はデュレーションをアンダーウェイト。
株式については、債券ほど魅力的ではない「慎重な中立スタンス」としている:
- 米国株のバリュエーションは高いが、7銘柄を除けばそうでもなく、ここにアルファ獲得のチャンスがあるかも。
- 利益が市場予想に届かない可能性があり、クォリティやバリューが望ましい。
- クリーン・エネルギーなど趨勢的追い風があり財政支援のあるもの。
- ショート: 金利上昇がマイナスとなる住宅など消費循環株や自動車。