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経済回復と流動性パラダイムの共存:モハメド・エラリアン
2021年4月7日

アリアンツ首席経済アドバイザー モハメド・エラリアン氏は、FRBが金融緩和の手を緩めるべきタイミングについて言及し、市場の楽観を心配している。


市場は上昇し、金利は比較的落ち着いている。・・・
完全に雇用統計と一致している。
雇用統計が示す結論は、強く、インフレ的でない雇用創出だからだ。

エラリアン氏がCNBCで、好調な雇用統計、好調な米市場についてコメントした。

2日発表の米雇用統計は

  • 非農業部門雇用者数: 前月比916千人(市場予想650千人)
  • 失業率: 6.0%(前月比0.2%ポイント低下)
  • 平均時給: 前月比0.1%減、前年同月比4.2%増

だった。
昨年のデフレ時に比べれば賃金は回復しているものの、前月比で見れば改善度合いは小さい。
これが「インフレ的でない雇用創出」の意味するところだろう。

エラリアン氏は、パンデミック前と比べて、いまだに雇用が8百万人分少ない状況にあると指摘する。
大きな数字であり、賃金水準が回復していない一因なのだろう。
しかし、仮に毎月1百万人近い雇用の回復があるなら、さほど遠くないうちにパンデミック前に戻る計算になる。

重要なのは、もしもこのペースが続き、とても大きな数字だが、これが続くなら、労働力から退出した人数を戻すことになる。・・・
パウエル議長に質問したいのは、本当にコスト・プッシュ・インフレを引き起こすことなしに8百万人を戻すことができるのかだ。
今後数か月でそれが明らかになる。

コスト・プッシュのインフレが起これば、FRBは看過できなくなるだろう。
仮にインフレが目標を上回る状況が長引けば、いよいよ金融引き締め、あるいは金融緩和の巻き戻しを意識せざるをえなくなる。
エラリアン氏は、FRBがその道筋を示し始めるべき時に来ていると話す。
同氏は、FRBが金融緩和を緩めるべきタイミングにも言及している。

「そのタイミングは、財政刺激策が全開になり、マクロプルーデンス規制を強化するタイミングだ。」

仮に現在提案されているインフラ支出が実り本格化するのが来年度なら、そう遠い話でもないのかもしれない。
これに対して、市場は楽観的すぎるとエラリアン氏は考えているようだ。

しかし、今のFRBは、そうはせず、経済に実際インフレが居座るまで待つと言ってきたし、市場も信じている。
市場は、FRBの言葉を文字通り受け取り、経済回復とFRBが支える流動性パラダイムが問題なく共存しうるかのように振る舞っている。


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