海外経済 投資

経済は耐えても市場は耐えられない:モハメド・エラリアン
2021年2月7日

アリアンツ首席経済アドバイザー モハメド・エラリアン氏は、過剰なリスクテイクが市場を脆弱にしているとし、注視すべきリスク要因について解説している。


経済は耐えられるが、市場は耐えられない。
この区別はとても大切だ。

Bloombergから「経済は、30年債利回り2%、10年債利回り1.5%への上昇に耐えられるか」と尋ねられ、エラリアン氏が答えた。
同氏は、現状からわずか40 bp足らずの上昇にも市場が耐えられないと考えている。

エラリアン氏の危機感の背景にあるのは、超低金利が株式などに2つの面で影響を及ぼしてきた点だ。

  • TINA現象: 何も他に投資する選択肢がない。
    「もしも10年債利回りがあなたの言った150 bpまで行けば、それが選択肢になる。」
  • DCFモデル: 超低金利により、DCFが算出する株価は極めて高くなる。
    「DCFは『買え、買え、買え』のシグナルを発しており、だから資産アロケーションでまだリスク市場に莫大な流入がある。」

理論的にいえば、これらは同じことを2つの側面から表現したものだ。
その背景にあるのが超低金利である。

エラリアン氏は以前から現在の強気相場には4つのリスク・シナリオが内在すると指摘してきた。
・FRBの政策変更
・企業倒産の連鎖
・市場での何らかの事故
・債券利回りの上昇
エラリアン氏は、この中で最も起こりそうな3番目、4番目に特に注意するよう説く。
メイン・シナリオではなくリスク・シナリオだが、注意する価値があるという。

1つは突然の利回りの変動で、もう1つはある種の流動性の事故だ。
強調しておくが、先週私たちはすんでのところで市場の事故に見舞われるところだった。
だから、この過剰なリスクテイクの中のエアポケットに注意しないといけない。
仮に経済が過熱し、利回りが速く変動することになれば、何かのリスクが金融市場で間違いを起こすだろう。

「市場の事故」に近かったというのは、GameStop株等で起きたショート・スクイーズだ。
このスクイーズでは、複数のヘッジ・ファンドがマージン・コールを受け、それに応えるために他銘柄の売却に追い込まれた。
事態が広がるのを恐れ、市場では株が売られた。
25-29日の週S&P 500は3.31%の下落となった。


-海外経済, 投資
-, , ,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 その他利用規約をご覧ください。