投資

経済の2×4住宅が続く:デニス・ガートマン
2020年1月14日

デニス・ガートマン氏が、足元の株高を分析し、当面また長期的に米国株の強気相場が継続すると予想している。


「自分のお金をトレーディングしているから、当然毎日市場にいて市場を見ている。
以前より多分効率的・効果的にできると思う。」

ガートマン氏がThe Income Generation Showで、35年続いた「The Gartman Letter」終刊後の生活を語っている。
今後の自身の投資活動にむしろ自信を深めている。
なぜなのか。
それは先月までの35年間の様子を聞けば理解できる。

「35年間、毎日朝の1時に起き出して5-9ページのニュースレターを書いていた。
・・・35年で休刊したのは3日だけ。
両親の金婚式、ハリケーン、そして、腎臓結石だ。」

3度ではなく3日と言っているから、ハリケーンや腎臓結石で休んだのもそれぞれ1日だけだったのだ。
多くのメディアへの出演を含めれば、ガートマン氏にとって情報発信という営みの負担は極めて大きかったに違いない。
近年、予想を外すことが多かったのも、負担と年齢の間のバランスが関係していたのかもしれない。
そのバランスが今、大きく改善するのかもしれないわけだ。
ガートマン氏を逆指標などと茶化していた人たちも、しばらく用心した方がいいだろう。
逆指標のままなのか、順指標に戻るのか、それともランダム・ノイズになるのか。

ガートマン氏は終刊の理由を率直に述べている。

「35年経って、私の手と頭脳が少し疲れたんだ。・・・
1時に起き出して夜3時間しか寝れないのがいやになっただけなんだ。」

そのガートマン氏が、昨年2019年の米国株市場の上昇を振り返っている。
2018年末まで劣悪な相場環境・市場心理だったものが、FRBの政策反転により突如として変化した。

短期間にあっという間に反転したという事実が、私やすべてのプロの不意を突き、ほとんどのプロが幅広い株式市場をアンダーパフォームした。
気絶するような、驚きの、ショッキングな、完全にすばらしいパフォーマンスだ。
また、繰り返すかといえば、私の人生のうちはないだろう。

69歳のガートマン氏が、人生のうちに二度とないと言ったのが印象的だ。
45年間、市場に寄り添ってきた大ベテランがこういうほど、極端な現象だったということだろう。

これは経済におけるツーバイフォー住宅だ。・・・
金融当局がその政策において緩和的になっている限り、FRB、PBOC、日銀・BOEと戦ってはいけない。・・・
金融当局が拡張的であるうちは、大胆な市場が続くと言わざるを得ない。
ショッキングな真実なんだ。

最近、米市場のベテランの中に、こういう言い方をする人が増えてきた。
以前は、株価を議論するのに企業収益も重く見ていた人たちが、最近では金融政策や流動性を第一の要因に挙げ、企業収益のウェイトを下げている。
ベテランたちが企業収益を軽視しているのではなく、市場が企業収益を軽視しつつあると指摘しているのだ。

ガートマン氏は、米株価についても興味深い指摘をしている。

「こんなに株価が高いところにあるなんて私には驚きだ。
いかなるバリュエーションで見ても割高だ。」

多くの市場関係者が、現在の米国株が割高とはいえないと指摘している。
現状の低金利を前提とする限り、理論式上は割高とはならないからだ。
一方、この低金利を中期的に見て持続不可能、あるいは金利が中央回帰すると見ている人からすれば、金利こそバブルとなる。
例えば、ロバート・シラー教授による有名なCAPEレシオは明示的に金利の要素を含んでいない。
(金利は中央回帰するとの暗黙の含意がある。)
だから、表面的にCAPEだけを見れば、現在の株価は割高という結論になる。

ガートマン氏は、米国株市場がバブルであるとする一方、米市場のそれ以外にはバブルが見られないと話している。
景気後退入りしても、FRBがすぐに追加緩和に動くとして、リーマン危機の再来はないという。
コンファレンス・ボードの景気先行指数が3か月連続で悪化している点を心配しながらも、景気後退入りの時期を大統領選後の2021年以降になると予想した。

The Income Generation Showは、その名から想像できるように、引退生活のための個人の財務を考える番組だ。
ガートマン氏は、視聴者へのアドバイスを求められ、2点アドバイスしている。

株式市場は強気相場だ。
たぶん米国では株式はいつも強気相場なんだ。

足元がまだ強気相場であるということ。
そして、長期的に見れば米市場が右肩上がりを続ける可能性が高いとの信念を述べたものだろう。

もう1つは「Income」の意味を思い出させてくれる推奨だ。

長い配当実績のある良い会社の株を買うことだ。
引退すれば、それが最良の投資先となる。
毎月配当を出すETFを物色してみるといい。

引退後の生活にとって配当株やそれと似た性質のETFが役立つと述べている。
主な株主への還元方法についていえば、理屈の上では配当より自社株買いの方が効率がいいとされる。
毎期配当すればその時点で自動的に課税されてしまうし、理屈の上では配当には同額の配当落ちがともなう。
しかし、それでも配当という習慣が止むことはない。
それにはそれなりの役割があるからなのだ。
日本では、異なる観点から分配金の多い投資信託が目の敵にされたことがあったが、そうした商品性の是非は目的に応じて判断されるべきだろう。

ガートマン氏は「毎月配当を出すETF」について、もう少し狙いどころを絞っている。

百ぐらいあるが、利回りが7-10%なのは1ダースぐらいしかない。
みんなそれに注意しないが、すべきなんだ。

(参考)
高配当株で失敗しない5箇条
高配当株について考えるべき5点:FOX


-投資
-,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 その他利用規約をご覧ください。