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終わりではなく始まりだ:ジェフリー・ガンドラック
2020年5月2日

ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏が、相変わらず怒っている。


私が言ったのは、1913年連邦準備法の制限を回避するために設立されたペーパー・カンパニーを通して、FRBが実際に社債を買っていないということ。
もしもそれが事実なら、FRB史上最も効果的な説得工作の成功だったはずだ。

ガンドラック氏が先月末のCNBC出演について回顧しツイートした。
実際に買入れを行わずポーズだけで市場を誘導したならファイン・プレーだと言いたいのだ。
現実はそうはならないようだ。

ペーパー・カンパニーを通してでなくても、FRBが実際に社債を買っていなければ、現在の価格(おそらく最終的なデフォルトを勘案した価格より高い)での社債の買い手は、単純に将来FRBのペーパー・カンパニーに現価格かそれ以上で売ることを期待するだろう。

ガンドラック氏は、ポーズだけで誘導できれば、もう一段の効果が見込まれるという。
FRBが刀に手をかけ抜くポーズをとるだけで、民間の買い手が代わりに買ってくれるだろうからだ。
買い手がFRBでなく民間の買い手なら、儲けはFRBでなく民間の買い手にいくことになるだろう。

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iシェアーズiBoxx米ドル建て投資適格社債ETF(5年チャート、出典:Investing.com
iシェアーズiBoxx米ドル建て投資適格社債ETF(5年)

iシェアーズiBoxx米ドル建て投資適格社債ETF(年初来、出典:Investing.com
iシェアーズiBoxx米ドル建て投資適格社債ETF(年初来)

いずれも社債の下げを見込んでいた投資家にとっては腹立たしい展開だろう。
一生懸命ファンダメンタルズに注視し先を読んでも、中央銀行の介入によりひっくり返されてしまう。
多くの債券投資家が怒り、モラル・ハザードの問題を口にするのも無理はない。

ガンドラック氏は不吉な予言をする。

これは終わりではなく、始まりだ。

中央銀行を先読みしねだるモラル・ハザード・トレードを続けるのか、それとも中央銀行の制御不能を見込むのか。
投資家は今後も選択を迫られそうだ。


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