海外経済 国内経済

ハワード・マークス 米GDPマイナス32.9%の衝撃と真実 :ハワード・マークス
2020年8月9日

ハワード・マークス氏の5日付「Memo」の第3弾: 発表されるGDP統計の読み方について注意喚起がなされている。


私たちはみな第2四半期の実質GDPの減少の大きさに衝撃を受けたはずだ。
これまで3か月で1/3もの経済収縮など経験したことがなかったのだから。

マークス氏がメモの中の後書きで、-32.9%という数字を見た時の思いを率直に語っている。

30日発表の米第2四半期の実質GDPは32.9%減だった。
この数字のインパクトは大きい。
多くの人があらためてコロナ・ショックの脅威を思い知ったはずだ。
ところが、これには伝え方・聞き方の問題があった。

マークス氏が知人に尋ねてたどりついた正解がこうだ:

公表された第2四半期GDPの32.9%の減少が本当に意味することが何か考えたことがあるか?
答: GDPが2020年第2四半期と同じペースで今後3四半期も低下したと仮定した場合の、2021年第1四半期の2020年第1四半期に対する減少のパーセンテージ。

つまり、-32.9%とは対前四半期比(%)の年率換算なのだ。
今のところの希望的観測としては第2四半期が最も過酷な経済収縮となったのだろう。
今後は緩慢に回復するか、横ばいか、緩慢な収縮となるのだろう。
ところが、最も厳しい四半期の減少を年率換算してしまうと、そうした見方とは全く別の水準の数字が出来上がってしまう。

仮に、ある投資家がとても荒い推測として、GDPが32.9%収縮したから企業収益も32.9%収縮するかもと推測したなら、これは大きな誤りだ。
仮にGDPと企業収益が比例した場合でも、減少分は年率32.9%のうちの四半期分に後の3四半期分を加味した数字に過ぎないのだ。
こうした錯覚が、市場に不正確な弱気を植え付ける可能性は拭えず、正しく見る目を持つ投資家には逆にチャンスになるのだろう。

32.9%はミスリーディングで誇張された数字だ。
何も1/3も落ちていないし、そうなる可能性もない。・・・
モルガン・スタンレーは、2020年通年のGDP減少を前年比5.3%、第4四半期対第4四半期でも6.2%減少としか予想していない。・・・
私が学んだのは、四半期対四半期の変化の年率換算は、第2四半期の32.9%を含めて、かなり意味がないということだ。


-海外経済, 国内経済
-,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 その他利用規約をご覧ください。