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グッゲンハイム スコット・マイナード 米10年債利回りは-50 bpへ:スコット・マイナード

グッゲンハイム・パートナーズのスコット・マイナード氏が、中央銀行・政府の政策を嘆きつつ、米国にゼロ/マイナス金利がやってくると予想している。


大量の米国債発行にもかかわらず、すぐには金利は急騰しないだろう。・・・
10年債利回りは(近時または年内)25 bpまたはそれ以上低下すると予想し、中期的にはマイナスになるだろう。
私たちのターゲットは-50 bpで、ある種の状況下ではさらに大きく低下しうる。
イールドカーブの10-30年ゾーンが今より100 bp超低下するにつれ、超長期債は最終的に25 bp前後に達しうる。

マイナード氏が自社ウェブサイトで、いっそうの金利低下が米経済で進むと予想している。
日欧に追いつくだけでなく、日本より低くドイツに迫る水準が予想されている。
何もなければ疑ってかかるところだが、マイナード氏は原油のマイナス価格を予言した人物。
簡単に聞き流すわけにもいかない。

米調達金利を低下させた大きな要因はコロナ・ショックとともにFRBの金融政策だ。
マイナード氏は、FRBと米財務省が混乱収拾に成功した点を認めている。

「FRBと財務省によるクレジット市場と借り手企業への広範な支援は価格におけるテール・リスクを大きく減少させた。
FRBにより供給された流動性は広範な証券をコントロールし、価格を維持するだろう。
また、資金が必要な時に市場が閉まってしまうなど、デフォルトにつながる危険を取り除いた。」

FRB・財務省がリスクを低減したと認める一方、マイナード氏は多くの問題を指摘する。

  • 新興国市場でのデフォルト発生などのリスク。
  • 経済再開時のリスク。
  • 米国債の大量発行でクラウディング・アウトが起こる。
  • 金融政策への信認剥落のリスク。
  • 政府の手厚い支援により、米企業は政府支援機関(ファニーメイやフレディマックなど)になった。
  • 大きな債務スーパーサイクル:
    「中央銀行が景気サイクルを平準化するために利下げして信用を得やすくするという考えは、より少なくより過酷でない景気後退と最終的に長期的な景気拡大を備える経済を実現するために考えられたものだ。・・・
    この政策は機能したが、同時に大きな債務スーパーサイクルを生んだ:
    景気後退になるたびに米経済の債務総額は対GDP比で新記録を更新してきた。
    仮に金利を持続的に大きくマイナスに維持したとしても、長期的には持続不可能だ。」

マイナード氏は、個人的好き嫌いで言えば、今回のFRB・財務省の支援策に反対なのだ。
市場参加者にしても企業にしても救い過ぎていると感じているのだ。
対症療法として支援策が功を奏するとしても、それが自由市場資本主義を損ねてしまうと心配している。
止血をするかわりに魂を奪われるような思いなのだろう。
それでも冷静に、好き嫌いとは切り離して、論理的に導き出される投資戦略を書いている。

「金利は低下し信用スプレッドは縮小するだろう。
先行き混乱もあるだろうが、ほとんどのセクターにまたがるバリュエーションの再設定は魅力的な機会を提示し、クレジットへのエクスポージャーを大きく増やすよう促している。」

金利が下がり、信用スプレッドも下がるなら、債券等の価格は上がると予想すべきなのだ。

マイナード氏は、個人的好き嫌いを暗示するためにニクソン大統領の言葉を引用している。

みんなケインジアンになった。


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