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米長期金利上昇を予想するワケ:ジェフリー・ガンドラック
2019年12月27日

今月10日に行われたジェフリー・ガンドラック氏による投資家向けプレゼンのハイライトをダブルライン・キャピタルがツイートしている。


「これ(9月のレポ金利急騰)が意味するのは、システムに十分な流動性が存在せず、したがって、オーバーナイトのレポ金利をFF金利付近で浮動させる需要がないということだ。
市場がFRBの設定した金利レベルを拒否しているようなものだ。」

ガンドラック氏が投資家向けプレゼンで、9月の短期金利急騰について解説した。
FRBは、FF金利が誘導目標から逸脱したことに対応し、市場に流動性を供給することで沈静化にあたった。
その後、短期債買い入れによる流動性供給を発表し、これによりFRBのバランスシート正常化は頓挫することとなった。

「レポ市場への準備預金の追加はFRBが量的引き締めを行ってきた間に達成できた分の40%を巻き戻した。
・・・すでに過去のQEの結果の最大値までほぼ半分、後戻りしてしまった。」

FRBは昨年まで、量的引き締めが経済・市場に与える影響は大きくないと説明、バランスシート縮小を「自動操縦」で行うと言い続けていた。
量的緩和のExit時には混乱をともなうとの心配の声を払拭し、理屈と関係なく動揺しうる市場心理を平静に保とうとしたものだろう。
しかし、多くの人の心配通り、影響は大いにあったのだ。
結果、FRBは利下げに転じ、バランスシートは拡大に逆戻りし、量的緩和のExitの難しさが強く意識されるようになった。
ハト派の中には、ドルに対する貨幣需要を考えれば、バランスシートの縮小は小幅でいいと主張する人も多い。
しかし、このロジックは危機前からの実際の数字を見れば、楽観的すぎると考えるべきだろう。
米国や世界の景気に力強さが戻る時が来れば、米物価が不安定になる危険が高まると見るべきだ。
(趨勢的停滞が続くならインフレはやってこない可能性もある。)

ガンドラック氏は1つ、イールド・カーブについて直観に反する事実を呈示している。

1つとても興味深く、持続してきたパターンとは、FRBがバランスシートを拡大している間、イールド・カーブがスティープ化すると予想される点だ。

米10年-3か月スプレッド(青、左)とFRBバランスシート(赤、右)
米10年-3か月スプレッド(青、左)とFRBバランスシート(赤、右)

かつての量的緩和は長期債等の買入れによるものだった。
当然、長期金利にとっては下げ圧力だったろう。
一方、現在のバランスシート拡大は、短期資金の供給によるものだ。
直接には長期金利に下げ圧力はかからない。

イールド・カーブの短期側はFRBがかろうじて支配している。
現時点でFRBは様子見だ。
ならば、イールド・カーブのスティープ化は長期側の上昇を意味するのだろう。

ガンドラック氏は、他にも金利上昇要因をいくつか示している。
1つは米長期金利のチャートで、これが「三番底」に見える。

米長期金利
米長期金利

もう1つが、銅/金比率だ。
ガンドラック氏は、この指標を長期金利予想のための「古い友達」と呼び、最近の動向を解説している。

これは、過去数か月何のシグナルも出していなかった。・・・
でも今は、銅/金比率が10年債利回りの上昇を示唆している。


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