米長期債ボイコット、米ドル相場下落:ジェフリー・ガンドラック

債券王ことDoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏がウェブキャストで、モダン・マネタリー・セオリー(MMT)を痛烈に批判した。
以前から緩み続ける米財政規律を警告していたが、日々心配は募るばかりのようだ。


これ(MMT)の問題は完全に誤った議論であること。・・・
この議論はばかげている。・・・
小学1年生にはよく聞こえるかもしれない。
景気後退に入ったら何がおこるんだ?

ガンドラック氏によるMMTの全否定の様子をBloombergが伝えている。
MMTとは《現代貨幣理論》とも訳され、あたかも正統的経済理論のように響くが、その実はいわゆるフリンジ経済学。
MMTによれば、自国通貨建ての債務で財政赤字を補う国はいくら債務が拡大しても問題ないとされる。
最近、民主党左派などの政治家が引き合いに出し、多くの経済学者・市場関係者が批判を浴びせている。
当然ながらガンドラック氏も批判する側の1人。
「完全なナンセンス」、「大規模社会主義政策」など厳しい言葉でこき下ろした。
MMTが政策に取り入れられれば、長期債市場で買い手のボイコットが起こるだろうと予想している。
これは長期金利の高騰を意味し、経済・市場の大きな悪化を暗示する。


ガンドラック氏の問い「景気後退に入ったら何がおこるんだ?」の答は何だろう。
1つは大統領選への影響だ。
景気が悪化すれば、経済を売り物にしてきた現職大統領には大きな逆風となる。
穏健な中道が勢力を伸ばせない今、極端主義のポピュリストが政権を取り、財政悪化の第2章を開くかもしれない。

もちろん現職が再選しても問題だらけなのは、メキシコとの国境に壁を建設しようとしていることからも明らかだ。

「これ(財政悪化)はどんどん注目を集め、またそうあるべきだ。・・・
大統領は国家債務削減を公約に選挙を戦ったのだから衝撃的だ。
今では債務は22兆ドルと、経済成長の中で年約1.5兆ドルものペースで増えている。」

好景気の時期、(ケインズも言ったとおり)財政政策は緊縮気味にするのが定石だ。
こうすることで財政を立て直し、次の景気後退時の財政出動の余地を作っておく。
ところが、今回の好景気では債務は拡大している。
これがガンドラック氏の問い「景気後退に入ったら何がおこるんだ?」への2つめの答だ。
ガンドラック氏は、財政赤字(単年度)がGDPの13%まで上昇しうると予想し、これが米ドル相場の下落をもたらすとして、従前からのドル安予想を維持した。

その他の主なコメントは次のとおり:

  • 米国株: FRBの「180度転回」でリバウンドしたが、「株式市場は過去も今も弱気相場だ」。
    2019年中に昨年12月安値を割り込むと予想。
  • 米社債: BBB格は次の景気後退でジャンク級に転落するリスク。
  • 米イールド・カーブ: スティープ化を予想するが、FRBが日本並みの非伝統的金融政策を始めればカーブは逆転すると指摘。

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