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米株ショートをカバーした:ジェフリー・ガンドラック

ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏は、米市場が「無秩序」・「パニック」にあると指摘し、逆に米国株ショートをカバーしたと明かした。


原油が今日大きく下げ(1バレル)20ドルに。
社債は打ちのめされている。
米国は公式に『無秩序』に到達した。

ガンドラック氏が18日ツイートした。

原油が、債券が、株式が荒い値動きを続けている。
各国の中央銀行が政策を発表しても、市場の反応はまちまちだ。
とりわけFRBについては、何をやっても市場は下げで反応するという皮肉な展開が続いている。

美術品愛好家としても有名なガンドラック氏のところには、優れた美術品を割引で買わないかとの売込みがやってくるという。
同氏はこれを、流動性収縮が資産価格を破壊する一例と感じている。

米国は経済・市場の混乱を収拾できるだろうか。
何をやれば落ち着くのか。
バーナンキ元FRB議長・イエレン前議長はFRBによる社債買い入れを提案している。

ガンドラック氏は、こうした政策が米社会から許容されるか疑問視している。

史上最高値での自社株買いによる過度なレバレッジによって経営者やヘッジファンド投資家を肥やしてきた過度なレバレッジの会社を政府が救済するのは、アメリカ人から納得されないだろう。

日本では社債どころか株式(ETF)までも中央銀行が買い入れている。
米国ではこうした政策はイデオロギー的にも受け入れられにくい。
リーマン危機時には金融システム安定化のための金融機関救済でさえ大きな批判を受けた。
一般事業会社の救済ととられかねない社債買い入れでは、一般市民の不満が再び高まってもおかしくない。
富や所得の格差はこうした不満を大きくするだろう。

民間企業の救済につながる政策は、中央銀行の金融政策ではなく政府の財政政策として行う可能性もある。
これなら立法府の承認を必要とする公正な意思決定とみなせる。
(それでも批判は起こりうる。)
弱い者を助けることは悪いことではないが、もちろんコストも存在する。

「提案されている財政政策の説明を聞くたびに金額が上がっていく。
今1.3兆ドルと聞いたところだ。
さらに上がると予想する。
連邦債務は今後1年程度3兆ドルを超えるだろう。」

これは、中期的なインフレ上昇・ドル下落というガンドラック氏の予想をさらに強化するものだろう。
(金利については同氏は従来、中央銀行が低位に抑制すると予想している。)

ガンドラック氏は最近、米国株が大きく下落すると予想し、投資家に弱気相場への備えを奨めていた。
くしくもこの予想はコロナ・ショックで実現しつつある。
投資家に備えを奨める一方、自身もショートをしていたことを明かしている。

この数年で初めて、米国株のショートがなくなった。
今日の東部夏時間2時37分をもって私の最後の3銘柄(ショート)をカバーした。
利益が大きすぎて刈り取りせざるをえなかった。
パニックは明らかだ。

ショート・カバーをしたからといって、それが底を予想したものととることはできまい。
ただただ大きく下げたから刈り取っただけかもしれない。
それでもショート・ポジションがなくなったとの事実は(市場について)決して悪いニュースではないのかもしれない。
ガンドラック氏のトーンに強気はまだ見えない。
同氏は現在を「無秩序」、「パニック」と呼んでいる。

米市場環境はまだ悪化しうる可能性が十分にあるが、逆に最悪の状態に近づきつつある可能性もある。
最悪とはもちろんそれ以上悪くならないことを意味する。

(一部誤訳を訂正し再掲しました。)


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