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米市場・米ドルの時代は終わる:ジェフリー・ガンドラック
2019年12月3日

新債券王ことダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏が、次の景気後退で様変わりする世界の投資環境について予想した。


「2019年は投資家にとってかつてないほど簡単な年だった。
ダーツを投げれば、15-20%のリターンが得られた。
米国だけでなく、世界の株式でそうだった。」

ガンドラック氏がYahoo Financeで、2019年の市場を振り返った。
世界の株式・債券・金・ビットコインなどすべてが強かったとし、中でも米市場が特に強かったと話した。
ガンドラック氏は米市場の強さの理由を端的に指摘した。

2019年を救ったのは間違いなくFRBの大きなUターンだ。・・・
悪化するGDPや今日のひどいISMの数字を見ると、株価はかなり高い水準にある。

FRBが金融政策を引き締めから緩和に逆転させたために、市場が金融相場で持ち上がったとの解釈だ。
FRBは昨年第4四半期の株式市場の混乱におののき、利上げを逆転させただけでなく、量的引き締めも逆転させてしまった。
ガンドラック氏は、それら政策変更が理屈にあったものでなかったと言いたげに、皮肉たっぷりに言い連ねている。

株式市場は息を吹き返し、少なくとも米市場では再び史上最高値を試し続けている。
一方、債券市場は黄信号を灯しているとガンドラック氏は指摘する。

レポ市場の混乱は、FRBが操作している金利が市場の受け入れられないものになっていることを示しているように思える。
国内の需要が別のところにあるため、オーバーナイト市場でFF金利での取引ができないんだ。」

9月のレポ市場の混乱は、ガンドラック氏が従前から言い続けてきた説が正しいことを示しているのだという。
その説とは

「次の景気後退期にFRBが大規模な買入れをしなければ、供給側の問題で、イールド・カーブの長期側の金利はおそらく上昇する」

上昇の程度にもよるが、おそらくほとんどすべての人がこの説には賛成するだろう。
ガンドラック氏がわざわざ「説」というからには、それなりに堪える上昇幅ということだろうか。
あるいは、景気後退期に金利が上昇することに力点のある話なのか。

ガンドラック氏は、米国債の供給に関し政府の財政悪化を問題視する。

国家債務の増加率が名目GDP成長率よりかなり高い。・・・
もしも米国が国家債務を拡大しなかったならば、それを一定にしていたならば、米国は今、名目GDP成長率がマイナスになっていただろう。・・・
過去数四半期の景気拡大のすべては債務によるものだ。
・・・国家債務と財政赤字の対GDP比率の水準は、歴史的に景気後退の深さと連動する。

ガンドラック氏は今回言及していないが、もちろん次の景気後退期、米国は日本を見習いマネタイゼーションに勤しむのだろう。
しかし、もちろんこうした対処法が常に投資家にとってプラスに働くとは限らない。

ガンドラック氏は、従前から主張してきた世界市場のリーダーやバブルが入れ替わり現れ、衰退していくというパターンを説明している。
そして、従前どおり、米国が日欧や新興国市場をアウトパフォームするパターンが終わりを迎えたと予想した。

次に景気後退に入ると、米市場がクラッシュし、今試し続けている最高値に戻ることはないだろう。
おそらく、私の残りのキャリアの間は。
・・・
次の景気後退では、米国の債務問題からドルが下落するだろう。
投資家は次の景気後退に対処するため、米市場でなく外国市場に投資した方がよい。

次の質問は、景気後退がいつやってくるかだ。
ガンドラック氏は近いうちに景気後退入りする確率を40%と話している。
(予想のホライズンを明言していないが、文脈からすると今後12か月での確率と思われる。
これは従前の同社予想とも合っている。)
ただし、政策によって経済が強引に操作されることから、予想が難しいとも話している。


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